外国人が爆買い中だけど不動産ここで「買い」はやめておけ!

どうやら不動産投資も、盛り上がりは一時的であり、それほど遠くないうちに終了しそうな予感がします。現代ビジネスに掲載されていました警鐘的記事では、人口減少という潮流を背景に、不動産投資への慎重論が展開されています(※1)。

「東京オリンピックのある'20年までは上昇基調が続くと期待している人も多いですが、実は不動産業者の多くはそれまで持たないと考えています、という話については、当室管理人も同意見です。

[以下、引用]
◆(※1)外国人が爆買い中だけど不動産ここで「買い」はやめておけ!
「株価2万円」ニッポン経済に何かが起きる

2015年05月01日(金) 週刊現代

1兆円の投資マネーが流入

「最近、都内の不動産を買いたがる中国人が増えています。彼らのための不動産ツアーも盛んに組まれ、都心のタワーマンションの何億円もする物件が飛ぶように売れている。

彼らの大半はキャッシュで支払ってくれる上に、決断も早いから、不動産業者にとっては非常にありがたい存在です」(株式会社東京不動産の繆英長氏)

東京、大阪、名古屋といった大都市圏では、中国人をはじめとする外国人による日本の不動産の「爆買い」が盛んだ。都内の不動産業者が語る。

「昨年6月にオープンした虎ノ門ヒルズの住宅も、その大半が外国人に買われましたが、夜になっても真っ暗なんです。実は彼らはそこに住んでいるわけではない。ほとんどが投資目的で、売り抜けるタイミングをひたすら待っているのです」

海外からの不動産投資マネーの日本への流入は、とどまるところを知らない。

都市未来総合研究所によると、昨年の海外法人による不動産取得額は9777億円で、過去最大だった。

彼らにとって日本の不動産の何が魅力なのか。オフィス野中代表取締役で住宅コンサルタントの野中清志氏が解説する。

「外国人から見れば、日本の不動産はいわば『バーゲンセール』の状態です。安倍政権発足前に1ドル=80円だった為替は、1ドル=120円と円安が進んでいる。

これは単純計算すると、以前は1億円のマンションを買うのに125万ドル必要だったのが、いまはたったの83万ドルで買えてしまうということで、日本の不動産は世界中から割安に見られているのです」

みずほ証券チーフ不動産アナリストの石澤卓志氏は、円安に加えて、他国の不動産事情も大きく影響していると言う。

「いま世界では、安心して不動産投資ができる国があまりないんです。欧州は債務問題があり、アメリカは景気の先行きが不透明。またインドなどの新興途上国にしても、インフラ整備が進んでいないため、不動産投資には不向きと思われている。

そんな中で、安定した収入が見込める日本の不動産が、有力な投資先として浮上しているのです」

世界中から日本の不動産へ約1兆円もの投資マネーが流れている上に、最近は日本人の間でも都心の不動産需要が高まっている。前出の野中氏が語る。

「不動産会社が主催するセミナーには、都心のマンションを買いたいという日本人が大勢来ます。中でも独身の女性でマンションを買う人が増えている。

昔であれば、女性がマンションを買えば『あの人は結婚をあきらめた』と周囲に噂されましたが、いまはまったく違う。

彼女たちはちゃんと結婚した後のことも考えています。結婚後は新たに夫と買ったマンションに住み、それまで住んでいたマンションは賃貸にして活用する。彼女たちははじめから、有力な資産としてマンションを買っているんです」

都心の物件も安心できない

今年に入ってからも不動産ブームは高まる一方だが、このまま「買い」の状態が続くのか。都市未来総合研究所の平山重雄常務執行役員は、次のように警告する。

「東京オリンピックのある'20年までは上昇基調が続くと期待している人も多いですが、実は不動産業者の多くはそれまで持たないと考えています。

すでに都心に近い、神奈川県の武蔵小杉などでは賃料の伸びに鈍化が見られます。中には今年度中に都心の地価の上昇が頭打ちするのでは、という見方もあります」

加えて日本には人口減少という、経済にとって最大のネックがある。

地価は一般に人口が増えているところでは上昇し、減っているところでは下落する。

現在、人口は都心部に集まっているために地価が高騰しているが、それ以外の地域では下落に歯止めがかからないという「地価の二極化」が進んでいるのは周知の事実。

だが、「都心であっても油断ならない」と指摘するのが、シグマ・キャピタルのチーフエコノミスト、田代秀敏氏だ。

「たしかに現在、東京都では人口が増えています。しかし、その内実が問題で、東京都は高齢者が極めて増加している一方で、20代~30代の出産適齢期の女性の数が減少している。つまり、これからは東京でも人口は減るということです」

日本の首都である東京の人口が減るならば、ほかの地方都市は言わずもがなだ。田代氏が続ける。

「これから日本は人口が減っていくので、『地価は下がらない』という土地神話は崩壊し、全国的に地価も下がることが見込まれます。

すでに千葉県内のある中古マンションは100万円でも売れない状態です。都内でも'20年以降は、山手線の内側でも空き家が増えていくでしょう。だから、オリンピックでの値上がりを期待して、不動産を安易に買わないほうがいい。売るタイミングを読み間違えれば、損をする可能性が高いと言えます」

すでに一般のサラリーマンが住むために都市部の不動産を買うには高騰しすぎている。また投資目的で買うにしても、いつ暴落が起こるか分からない。

みんな買っているから私も—。周囲の雰囲気に流されて不動産の購入を考えている人は、一度立ち止まって、不動産暴落のリスクを吟味したほうがいいだろう。

「週刊現代」2015年5月2日号より
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]