FRB議長:年内利上げ「適切」、想定外の事態が時期左右も

米国金利は、微妙な条件付ながら、原則として年内に第一弾の引上げがありそうです(※1)。マーケットとしては、すでに大勢は織り込み済みでしょう。


◆(※1)FRB議長:年内利上げ「適切」、想定外の事態が時期左右も
2015/07/11 04:01 JST

(ブルームバーグ):イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は10日、今年利上げを開始するとの見方に変わりはないと述べ、その後の利上げはゆっくりとしたペースになるとあらためて表明した。

イエレン議長は「フェデラルファンド(FF)金利誘導目標引き上げへ最初の一歩を踏み出し、金融政策の正常化を始めるのが年内のいつかの時点で適切になるだろうと考える」と話した。6月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)後で初の公的な発言となった。

「しかしながら強調しておきたいのは、経済とインフレがたどる道筋は依然としてかなり不透明であり、想定外の展開によっては最初の一歩を先送り、あるいは早めることもあり得るということだ」と述べた。クリーブランドでの講演原稿が事前に配布された。

またギリシャについては、この日の講演で触れたのは一度のみで、ギリシャ情勢は「依然として未解決だ」とだけ述べた。

FOMC参加者は6月時点で、年内に0.25ポイントの利上げが2回あると予測している。また2016年の引き締めペースは3月時点の予測よりも緩やかになるとの予想が示された。

イエレン議長はこの日、自身の経済とインフレ見通しについて「FOMC参加者が6月末の会合時に提示した予測の中心傾向とおおむね一致している」と説明した。   

労働市場

講演では大部分を労働市場の情勢について費やし、現状が議長の考える完全雇用の基準をいかに満たしていないかについて説明した。

議長は「良い雇用機会がないとの理由から、極めて多くの人が依然として職探しをしていない」と指摘。「労働市場は改善しているものの、まだ完全には回復していない」と加えた。

フルタイムでの職を望みながらパートタイムで働く人の割合について、「経済が完全雇用にある場合の割合を上回った状態が続いている」と説明した。

賃金については、不確かではあるが、いくつか上向きの兆しが見られるとし、「完全雇用の目標達成が近く視野に入ってくることを示唆している可能性」があると述べた。

経済情勢

経済の全般的な評価ついては、これまで同様に慎重ながらも前向きな見解を示した。

「米経済活動の根底にある基本的な要素の多くは底堅く、向こう数年に経済成長のペースはやや加速するだろう」とし、「特に雇用は拡大を続け、失業率は一段と低下すると見込んでいる」と述べた。

一方で米経済の足を引っ張る要因として、ドル高による輸出への影響と原油安に伴う設備投資の落ち込みの2つを挙げた。

その上でイエレン議長は「これら要因による国内の経済活動への悪影響は、ドルの価値や原油価格が安定するとともに年を通じて弱まっていくと見込んでおり、ならして見ると、今年全体において緩やかなペースでの経済成長が予想される」と述べた。

原題:Yellen Maintains Outlook for First Rate Increase in 2015(1)(抜粋)
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]