ヘッジファンドの「円買い・日本株売り」に転換の兆し

今回の日経新聞の豊島さんのコラムは、非常に示唆的な内容でした(※1)。やはり、昨日の当ブログで述べたように、ここ1ヶ月くらいで少し日本株を仕込んでおきたいと思います。


◆(※1)ヘッジファンドの「円買い・日本株売り」に転換の兆し

2016/3/28 11:19日本経済新聞 電子版 豊島逸夫の金のつぶやき

イースター休暇は、ヘッジファンドで働く後輩たちとじっくりと本音で話し、欧米市場最前線の事態を探る機会でもある。意外だったのは、彼らから電話してくるケースが多かったこと。日本流にいえば「正月返上」で出社していた。

そこには、円買い・日本株売り一巡を見越して次の一手を模索する姿も垣間見えた。米国の4月利上げと日本の財政出動・消費増税延期がほぼ同時期に決まるシナリオを視野に、1ドル=115円台回復・日本株反騰を見込む声が筆者の想定より多い。日本では円高論優勢の気配だが、米国ではドル高論が勢いを取り戻しつつある。日米市場の温度差を痛感した。

サッカーに例えれば、ヘッジファンドはパワープレー。一気に10円近くの円高をもたらし、日本サイドは完敗だった。そして今、さらなる円高か円安かで意見が割れている。高速度取引が全盛の時代に、最後に決めるのはやはり圧倒的なパワーだろう。

彼らの理屈は実にシンプルだ。

米連邦準備理事会(FRB)が時期はともかく利上げし、日銀はマイナス金利を導入したため、メーンのシナリオはドル高であり、ドル安は一過性と割り切っている。2016年通年でドル安との見方はほとんど聞かれなかった。ドルインデックスの下げ幅を見ても年初以来2%強程度にとどまり、依然96の大台を維持している。

彼らに緻密な理論の組み立てがあるとも思えないのだが、決断は速く一気に売買攻勢をしかけてくる。

地政学的な要因から「安全通貨」としてドルが買われるという見方は少なくない。日本ではもっぱら円が安全通貨とされるが、欧米市場ではドルと円が安全通貨の座を争っている構図だ。とはいえ、逃避マネーの動きは一過性だ。

株価についても、日本では外国人投資家の大量売却がもっぱら話題になっているが、ニューヨークのヘッジファンドは円高が終息した場合に備え、日本株の再吟味を開始した。

彼らの意見の中では「4月利上げが実現するほど米国の経済回復に自信は持てないが、地区連銀総裁たちが相次ぎ4月利上げの可能性を語るだけで市場にはドル高バイアスがかかっている。少なくとも円買いモメンタムは弱まった」「イースター明けは、雇用統計、イエレンFRB議長講演、ISM指数など目白押しだが、結局、経済統計はまだら模様。米4月利上げが『not off the table=議論の俎上(そじょう)から落ちるということはなかろう』」「テロ、難民、英国EU離脱の三重苦に見舞われている欧州株に比べれば日本株のほうがマシ。安倍政権の打ち出す財政政策が日本株再参入のキッカケになりうる」「原油・中国経済のかく乱要因は引き続き残るが、そこまで心配してはなにもできない。むしろそこからボラティリティーが高まれば、我々には起死回生のチャンス。特に円と日本株は動かしやすい」などが印象的であった。

日本株に関しては、日本の政局に関する質問が非常に多い。「オサカ・イッシン」という発音が「オオサカ・イシン」と一瞬聞き取れず、不意を突かれた一幕もあった。よく調べて裏をとりに来ているようで、日本株も「not off the table」という本気度も感じた。

4~6月期はヘッジファンドの決算期をはさみ、円買いポジションの手じまいや円売りポジションへの転換、そして外国人投資家の日本株見直し機運など、潮目が変わる可能性に要注意である。

米大統領選に関しては「ヒラリーで決まり。市場にとっては、ヒラリー発言よりイエレン発言のほうが直接的影響がある」との割り切った意見が強かった。
[以上引用 マクロ経済動向と資産運用形成 研究室]