動けぬ日米中銀、円高に拍車 連休で薄商いの隙突く

日銀が追加緩和をしなかったことで、それを期待して進行していたドル高(円安)と株高が反動落ちしてしまいました(※1)。

しかしながら、目先の日銀追加緩和催促は投資家側の勝手な行動ですので、それで損したとしても仕方がありません。日銀としては、マイナス金利にまで踏み込んでいますので、日本政府がこれ以上やるとすれば財政政策としての建設国債増発が先行するべきところです。それを日銀が買い取る(そして金利が低いまま)ということであればそれで十分だと思います。

当室としては、7月の参院選を目標に、安倍政権による①消費税先送り、および②財政政策の追加を期待したいと思います。ただし、その財政政策の規模が小出しの場合は株価には逆効果となりますので、注意が必要です。

ドル円相場の適正レンジとしては、当室はたいした根拠を持っているわけではありませんが、過去の経験則から、100円~120円と見ています。短期的に多少はみ出す場面はあるとしても、当面はこのレンジに回帰する結果になるものと思います。


◆(※1)動けぬ日米中銀、円高に拍車 連休で薄商いの隙突く

2016/4/29 21:05日本経済新聞 電子版

今週相次ぎ開いた日米の金融政策決定会合の結果を受け、円高・ドル安が勢いを増した。追加緩和を見送った日銀への失望に加え、米景気減速で米連邦準備理事会(FRB)の6月利上げが難しくなったとの観測が背景だ。大型連休が始まり取引が極端に細っているため円相場の上昇に歯止めが掛かりにくい。国内景気や物価への影響に懸念が強まっている。

29日のロンドン市場で円相場は1年半ぶりに1ドル=106円台に突入。海外のヘッジファンドなどが円買い・ドル売りに動いた。日銀が金融政策の現状維持を決めてから、円相場はわずか1日余りで5円近くも上昇。日銀の政策据え置きが「ネガティブサプライズ」(国内証券)となり、それまで追加緩和を警戒していた投機筋が一斉に円買いを進めている。

FRBが27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを見送り、景気判断を「米経済は減速した」に引き下げたことも、ドル売りに拍車を掛けている。1~3月期の成長率が前期比年率0.5%と急減速したため6月利上げに懐疑的な見方が拡大。

ドル高の修正が進むとの思惑から「ドル売りの受け皿として円が買われやすくなっている」(みずほ銀行の唐鎌大輔氏)。

振り返れば、やはり祝日だった2月11日にも、米利上げ観測の後退によって円相場が1日に約4円跳ね上がる場面があった。祝日は企業の取引が急減するため、投機筋の思惑で相場が動きやすい。政府内にあった「日銀がゼロ回答で大型連休に入るのは危険」(国際関係筋)との懸念が現実となっている。

急激な円高で、市場関係者の関心は政府・日銀の対応に集まる。5月3日には日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)の財務相・中央銀行総裁会議がドイツ・フランクフルトで開かれる。会議の前後に麻生太郎財務相や黒田東彦日銀総裁がどのような発言をするのかが焦点だ。

市場では「1ドル=105円が近づけば介入警戒感が一気に高まる」(クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司氏)との声が多く、麻生財務相の円高けん制のトーンの強さを見定めようとしている。

日銀の次の金融政策決定会合は6月半ばだが、黒田総裁が追加緩和に前のめりの姿勢を示せば、投機筋が円買いの手をいったん緩める可能性もある。

円の上昇が急なだけに、投機筋も利益確定の円売り・ドル買いのタイミングを探っているというのが現状だ。5月26~27日に開く主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)まで政府・日銀は円売り介入には動けないとの臆測もあるなかで、市場は政府・日銀の姿勢を瀬踏みしようとしている。
[以上引用 マクロ経済動向と資産運用形成 研究室]