バフェット氏の悩みと割安感の薄れた米国株

「米家計資産全体に占める株式・投資信託の割合は2015年末時点で32.8%。実はこの数字には、米株のブーム期に上昇し、30%台でピークを付けた後、株価下落とともに低下するというサイクルがある」(※1)ということです。

何らかの要因で、また少し調整が入るのかも知れません。ポジションは内容よりも残高自体をよく検討する必要がありそうです。

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(The Ratio of Total Market Cap to US GDP/gurufocusのホームページより)


[以下、引用]
◆(※1)バフェット氏の悩みと日本株
NQN編集委員 永井洋一
2016/5/24付日本経済新聞 夕刊

世界経済の先行きや米国の追加利上げを巡る不透明感から日米の株式相場は神経質な展開が続いている。年初の金融市場の動揺が一服したのは2月だが「小回り3カ月」の相場格言に照らせば、再び市場が荒れても不思議はない。

米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイが米アップル株に投資したとのニュースが先週、話題となった。バフェット氏はIBMを除くハイテク株に目立った投資をしていなかったためだ。
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だが、その裏には運用成績の低下に悩むバフェット氏の苦闘がにじむ。バークシャーの年次報告書から1株当たり純資産(BPS)の増加率をみると、過去51年間の平均が20%と同じ期間の米S&P500種株価指数の上昇率を9ポイント上回る。ところが、直近5年間はバークシャーが10.4%に対しS&P500種は13.1%となる。

バフェット氏の行動から読み取れるのは、割安感の薄れた米国株への警鐘だ。米家計資産全体に占める株式・投資信託の割合は2015年末時点で32.8%。実はこの数字には、米株のブーム期に上昇し、30%台でピークを付けた後、株価下落とともに低下するというサイクルがある。

これまでのピークは米経済が「黄金の時代」と呼ばれた1968年、IT(情報技術)バブル期の99年、さらにリーマン・ショック前の07年だった。株高で個人の財布のひもが緩んだ結果、利上げなどのショックに米経済がもろくなる傾向がみてとれる。

では、日本株はどうか。かつて著名投資家のジョージ・ソロス氏の投資アドバイザーを務めたスパークス・グループの阿部修平社長は「調整局面の今こそ、優れたトップが経営する優良企業に長期投資することが大きな成果を生み出す最善の策だ」と語る。

阿部氏は日本企業のPBR(株価純資産倍率)の割安度、自己資本の成長力に注目する。JPモルガン・アセット・マネジメントによればPBRは米国が2.7倍、新興国が1.4倍に対し、日経平均は1.1倍どまり。現水準の自己資本利益率(ROE)や配当性向が続くとの前提で20年度の日経平均のBPSを試算すると、今より3割以上高い1万9800円という数字が浮上する。ROE改善に企業が努力を続ければ日本株の下値支持水準は切り上がる。
[以上引用 マクロ経済動向と資産運用形成 研究室]