臆測呼ぶソロス氏復帰報道 世界経済「先行き弱気の見立て」

ソロス氏は、世界経済の先行きを弱気と見立てたトレードを自ら指示し、戦略投資への関与を強めている様子です(※1)。3月末時点の米国株の保有額を昨年末から約4割圧縮し、金と金鉱株へ資金を振り向けているとされています。

弱気の要素としては、次のものが挙げられています。
①中国経済の先行き不透明感
②英国の欧州連合(EU)離脱によるEU崩壊の可能性

ソロス氏も常勝ではありませんが、前回ソロス氏がトレーディングに乗り出したのは2007年で、この時は住宅市場に弱気のポジションを取り2年間で10億ドルを超える利益を上げたとされています。リーマンショックを予測していたということです。

当室も、現在のところ現金ポジションは6割程度となっていますが、ソロス氏のスタンスも考慮してベア商品も少し保有することとします。


[以下、引用]
◆(※1)臆測呼ぶソロス氏復帰報道 世界経済「先行き弱気の見立て」
2016/6/10 8:18日本経済新聞 電子版

【ニューヨーク=山下晃】米著名投資家のジョージ・ソロス氏が投資活動の一線に復帰したと伝わったことが米市場で話題を集めている。中国経済の先行き不透明感が払拭されず、23日には英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票を控えるなど、世界市場が緊張感を高める中での復帰報道は臆測を呼んでいる。

複数の米メディアによると、ソロス氏はこのところ世界経済の先行きを弱気と見立てたトレードを自ら指示し、戦略投資への関与を強めている。

ソロス氏は2011年に外部顧客からの資金を返還し事実上引退したと伝えられていた。ソロス氏と家族の資産およそ300億ドル(約3兆2000億円)はソロス・ファンド・マネジメントが運用している。同ファンドには外部から最高投資責任者を招いている。

同ファンドの開示資料によると、3月末時点の米国株の保有額を昨年末から約4割圧縮。一方で金融情勢の混乱時に相対的に安全とされる金への投資を増やし、米国株式相場全体の値下がりに備えた上場投資信託(ETF)を保有している。

ソロス氏は16年に入り「中国経済のハードランディングは避けられない」などと中国経済の先行きに弱気な発言を繰り返している。このほかギリシャの債務問題や欧州移民問題など様々な世界経済の問題に対して警戒感を示している。

市場では「金融危機前にソロス氏が(株式などの)リスク資産に弱気になったのを思い出す。心地よくはない」(米ヘッジファンドの運用者)といった声も出ている。


◆(※2)ソロス氏、トレーディング再開-世界経済に悲観的
ウォールストリート日本版より抜粋 2016 年 6 月 9 日付

同氏の今回の投資スタンスは、同氏が多くの人々よりも先行きを悲観していることを物語っている。中国や欧州で経済・政治問題が深刻化していることを受けて、同氏の世界観はこの半年で暗さを増してきた。今年初めは低調だった米株式市場はじりじりと過去最高値に迫っており、中国の株式市場も落ち着いている。だが、ソロス氏は減速が続く中国経済の先行きを依然として疑問視し、中国から投資資金が引き揚げられた場合、その影響は世界中に及ぶ可能性が高いとみている。

ソロス氏は電子メールで「中国は今も資金の流出に見舞われており、他のアジア諸国が外貨準備を積み上げているのに対し、中国の外貨準備は激減している」とし、「中国は政治指導部の内部抗争によって、今後金融問題に対処しにくくなるだろう」との見方を示した。

投資家の間では、最近の米国の賃金上昇を受けてインフレ率の上昇を予測する声が出始めているが、ソロス氏はそれよりも、今もなお続く中国の景気減速が米国をはじめとする世界各国にデフレ圧力をかけることを懸念している。

また、移民危機やギリシャ問題、英国の欧州連合(EU)離脱の可能性が重くのしかかり、EU崩壊は依然として十分あり得るとみている。

ソロス氏は「英国が離脱すれば、他国もこれに追随し、EU崩壊はほとんど避けられなくなるだろう」と話す。足元の英ポンド高については国民投票で英国のEU離脱が決まる見込みが薄いことを示唆していると指摘した。

「EU離脱に近づけば近づくほど、『残留』派の力が強くなると確信している」とし、「市場が常に正しいとは限らないが、今回は私も同感だ」と述べた。

前回ソロス氏がトレーディングに乗り出したのは2007年。この時は住宅市場に弱気のポジションを取り2年間で10億ドルを超える利益を上げた。
[以上引用 マクロ経済動向と資産運用形成 研究室]