英国のEU離脱で ソロス氏「暗黒の金曜日」予言的中

やはり、ソロス氏というのはただ者ではありません(※1)。英国がEUを離脱するとは思えないが、と発言しつつ金と金鉱株を以前から買い増しており、「ソロス・ファンドが米国株の下落に賭けるショートを拡大し、金と金鉱山株の上昇に賭けるロングをしていた『先見の明』が際立つ」という評価にならざるを得ません。

現段階では、英国EU離脱ショックの第一波の動揺ですが、今後まだ時間を置いて次の波が来そうですので、当面の間、金価格は堅調で逆に株価は軟弱な推移となりそうです。

なお、ロンドンの不動産価格はバブル的推移となっていましたので、EU離脱で今後は下落するかも知れず、リートも安心ではない可能性があります。

日本円は当面円高基調で100円割れの局面もありましょうが、時間が経過すれば、いずれまた1ドル100~120円のレンジに収まるものと思います。

過剰に騒ぐ必要はないものの、当室における以前からの懸案の停滞中の中国経済への影響は未知数であり、英国EU離脱のショックがどう巡って何が影響するのか、よく思案する必要があります。影響の強弱はあるとしても、プラスにならないことは確かですので、株価の底打ち感覚に幾分確信が持てるまで、投資家的には動けないと思いますし、あるいは中国関係で予想外の激震が発生する可能性も捨てられません。

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(日経平均5分足:SBI証券HPより引用)
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(NYダウ5分足:SBI証券HPより引用)


[以下、引用]
◆(※1)大暴落モード突入か?英国のEU離脱で注目高まる「ゴールド」 ソロス氏「暗黒の金曜日」予言的中
Written by ZUU online編集部 2,612記事 2016/06/24

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伝説の男が、また伝説を生み出した。1992年に英国中央銀行にポンド売りを浴びせて巨額の利益を上げ、当時の欧州為替相場メカニズム(ERM)からの脱退を余儀なくさせた著名投資家のジョージ・ソロス氏(85)。彼は先週、因縁の国イギリスの欧州連合(EU)離脱を予言し、国民投票の翌日である6月24日が「暗黒の金曜日」になると語っていた。この予測は的中し、世界の市場は大暴落モードに突入した。

破局のにおいをハイエナのように嗅ぎつけていたソロス氏

こうしたなか、同氏率いるヘッジファンドの「ソロス・ファンド・マネジメント」が、安全投資先としてゴールドや金採掘企業株の買い付けをしていることに、改めて注目が集まっている。ソロス・ファンドが米国株の下落に賭けるショートを拡大し、金と金鉱山株の上昇に賭けるロングをしていた「先見の明」が際立つ。

ソロス・ファンドは2015年12月末から2016年3月末までに、米国株ETF(上場投資信託)のプット(「売る権利」を取引する投資商品)を100万個から210万個に増やす一方、カナダをはじめ米国、南米、オーストラリア、アフリカで鉱山の運営と開発プロジェクトを展開する国際金鉱業企業バリック・ゴールド社(本社・カナダ)の株式保有を0株から1900万株に増やし、同社の筆頭株主となった。その結果、3月末から6月上旬にかけて、9000万ドルの利益を得た。また、1月から3月の間に、金ETFのコール(「買う権利」を取引する投資商品)を、0個から100万個に引き上げていた。

ソロス氏はすでに昨年秋から年末に、金保有を3360万ドル以上に買い増しており、今年に入って世界経済や金融への不安心理が高まりつつあったなか、4月以降もゴールドのロングを拡大し続けていたとしても不思議ではない。ソロス氏お得意の、「破局の局面」を利用した取引だ。

6月9日付の米経済紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、「長きにわたって休止を守ってきたソロス氏が、満を持して取引に戻ってきた」と、ソロス氏の動きを表現した。ハイエナのような嗅覚を持つソロス氏は、血のにおいを嗅ぎつけ、狩場に戻ってきたのである。

同氏は6月20日、英国離脱で「ポンドの為替レートは急落し、それが金融市場や投資、物価、雇用に即時、大幅な影響を及ぼす」「今回のポンド急落は、私のヘッジファンド顧客がかなりの利益に浴する幸運を得た1992年9月の15%下落よりも大きく破壊的なものになるだろう」と予測していた。

安全資産の金にマネーが殺到して高騰

英国のEU離脱で、世界経済全体が「脱グローバル化」へと大きく渦を巻いて逆回転を始めた。金は、こうした長期的なリスク資産価値の下落に強い「無国籍通貨」とも呼ばれる有事の安全な実物資産だ。為替や株式・債券市場で不安心理が支配すると「究極の安全資産」である金が買われるため、ソロス・ファンドの収益は大きく伸びるだろう。

景気が上向く時に買われやすい英国北海ブレント原油は、「EU離脱」のニュースを受けて一気に6.6%下落し、1バレル当たり46ドル81セントをつけた。一方、金価格は8%上げ、過去2年間で最高値の1オンス当たり1355ドルまで高騰をしている。多くの専門家は、「近いうちに1400ドルの壁も突破する」と見ている。
では、今回ソロス・ファンドが買い増しているバリック・ゴールド株と、ニューヨーク証券取引所に上場する世界最大のドル建て金ETF「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」とは、どのようなパフォーマンスを見せているのか。

まず、バリック・ゴールド社は、近年の金下落の影響で業績がさえず、負債が130億ドルに達する「ダメダメ企業」だった。だが同社は今年度20億ドルの負債削減を目標に積極的な経費削減を行い、目に見えるキャッシュフローの改善を実現した。ソロス氏も、そこに注目したのだろう。

そして、何よりも同社への追い風となっているのが、世界経済の成長鈍化である。金融政策も財政政策も効かない状況の下、国際的な景気後退の予測が相次ぎ、年内の米利上げも遠のいている。そこに、英国離脱のダブルパンチだ。業績改善の著しいバリック・ゴールド株は過去3か月間に1株当たり価格が10ドル近辺から20ドルと倍になっており、金が1400ドルを目指すなか、さらに上げていくことが予想される。

ちなみに、ソロス氏はカナダのバンクーバーを拠点とする鉱業会社シルバー・ウィートン社への投資も増やしており、同社もここ1か月半で株価は大きく上げている。

翻って、有名な金ETFのSPDRは非常に活発に取引がされているため、流動性の心配が要らないところが魅力だ。直近では、2008年から2009年の金融危機で、株式や債券の価格が値下がりするなか、金は逆に値上がりしたことが記憶に新しい。英国離脱で金融恐慌の可能性が取りざたされる環境で、SPDRも上げていくだろう。離脱直後では、SPDR S&P 500 ETFが1.3%上昇している。

英国のEU離脱をピタリと言い当てたソロス氏の投資方針は、市場関係者の注目を浴び続けよう。これからの市場で不安定さが常態化することが予想されるなか、ボラティリティ(価格の変動幅)が大きくなる世界は、ソロス氏にとって絶好の狩場である。

ゴールドや金鉱株の上昇は、世界中で資金の流れに重要なシフトが起こりつつあることを示唆している。常に果敢に株式市場に挑んできたソロス氏の金へのシフトは、「彼が弱気になった証拠」と評されているが、市場のパラダイムシフトに誰よりも早く勘付いたソロス氏にとっては、当たり前の現実的な立場の転換だ。因縁の国イギリスのEU離脱による金上昇で、彼の血は再び燃えているのである。(在米ジャーナリスト 岩田太郎)


◆(※2)米国株、ダウ急反落し610ドル安 金融や素材の下げきつく 英EU離脱で

2016/6/25 5:46日本経済新聞 電子版

【NQNニューヨーク=川内資子】24日の米株式市場でダウ工業株30種平均は急反落し、前日比610ドル32セント(3.4%)安の1万7400ドル75セントと3月16日以来ほぼ3カ月ぶりの安値で終えた。英国の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱が決まったのを受け、世界経済の不透明感が強まった。投資家が運用リスクを避けて、米株式を売る動きが広がった。

英国のEU離脱が世界景気の減速や金融市場の混乱につながるとの警戒感が強まった。アジア、欧州の株式相場が軒並み急落し、米市場でも金融や素材など業績が景気動向に左右されやすい銘柄を中心に売りが出た。

外国為替市場でドルが対英ポンドやユーロで上昇した。ドル高が米景気や企業業績を押し下げるとの警戒感を誘い、建機のキャタピラーや航空機のボーイングなど海外事業の比率が高い銘柄への売りも膨らんだ。ダウ平均は午後に一段安となり、下げ幅は一時654ドルに達した。

610ドル安というダウ平均終値の下げ幅は2011年8月8日以来ほぼ4年10カ月ぶりの大きさ。当時は米政府の債務上限を巡って格付け会社が米国債を格下げするなどし、投資家心理が萎縮していた。

投資家心理を測る指標で「恐怖指数」と呼ばれる変動性指数(VIX)は急上昇。市場の不安心理の高まりを示す節目の20を大きく上回り、25.76と2月11日以来の高水準で終えた。

逃避資金の受け皿となりやすい金や米国債が買われた。金相場の上昇で収益が拡大するとの期待からニューモント・マイニングなど金鉱株が軒並み上昇。米長期金利の低下を受けて、電力のPG&Eなど配当が高いとされる公益関連株もしっかりだった。

機関投資家の多くが運用指標とするS&P500種株価指数は反落し、同75.91ポイント(3.6%)安の2037.41と3月28日以来の安値だった。

ナスダック総合株価指数は反落し、同202.062ポイント(4.1%)安の4707.979と3月10日以来の安値で終えた。

業種別S&P500種株価指数では全10種のうち「金融」「素材」など9業種が下げた。一方、「公益事業」が上げた。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の売買高は約25億1000万株(速報値)、ナスダック市場(同)は約36億3000万株だった。

ダウ平均は構成する30銘柄すべてが下げた。金融のゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースがともに約7%の急落。IT(情報技術)のIBMやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスの下げも大きかった。
[以上引用 マクロ経済動向と資産運用形成 研究室]