中国の「ハイリスク」信用商品290兆円、流動性脅かす恐れも-IMF

最近それほど公開されなくなっていますが、久々に「影の銀行」の規模という形で、中国の抱える不良債権の累積状態を推定させる情報が報道されています(※1)。

このブルームバーグの記事で見ますと、影の銀行は運用と調達とで完全な逆ザヤであるように読み取れます。運用利回りよりも高い投資利回りを提示して資金を調達する手法は、元本を分配金に加えることで高利回りであるかのように見せかける毎月分配型投信に一脈通じるような感じもしますが、毎月分配型投信は元金の分配につれて投資価額が次第に低下しますので、まだ開示的に正直です。

影の銀行の場合は、その逆ザヤ部分が含み損になっているのでしょうから、いずれ近いうちに破綻することとなるか、あるいは政府が何らかの形で「飛ばし」を継続して先延ばしを図るものと推定されます。

それにしても、「(調達)商品は利回り11-14%を提供、これに対し(運用)ローンの金利は6%で債券は3-4%」というのでは、逆ザヤの度合いが余りにも大きく、含み損の累増は高速で進みそうですし、輸入の激減から見て中国の経済成長率がおそらくはマイナスですので、劣化は一層速いものと思います。

中国経済については、注意深くウォッチし、その実情を十分念頭に置いた投資姿勢が必要だと思います。

なお、原油価格の下落の衝撃・影響については、マーケットがすでに織り込んだとも見えますが、遅れてマイナス影響が発生する可能性もまだあると思います。

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原油(WTI原油先物):10年間月足、(SBI証券HPより引用)

[以下、引用]
◆(※1)中国の「ハイリスク」信用商品290兆円、流動性脅かす恐れも-IMF
ブルームバーグより 2016年8月13日

国際通貨基金(IMF)は12日公表したスタッフ報告で、中国のシャドーバンキング(影の銀行)関連の19兆元(約290兆円)に上る信用商品について、企業向け融資と比べハイリスクで、デフォルト(債務不履行)に陥れば流動性ショックにつながる可能性があるとの見方を示した。

スタッフのジョン・カパルソ、カイ・ヤン両氏はこの報告で、こうした投資商品は信託・証券会社等により仕組みが決められ、株式もしくはローンなどの債務を基にしていると説明。ローンは段階的な損出しが可能だが、シャドーバンキング商品がデフォルトすればリスク回避のきっかけになり得、こうした動きは対応が難しいと分析した。

報告によると、「ハイリスク」商品は利回り11-14%を提供、これに対しローンの金利は6%で債券は3-4%。こうした商品は「非標準的なクレジット資産」に基づいているため、最低レベルのクオリティーになっているという。

IMFが公表した別の文書では「非標準的なクレジット資産」への銀行のエクスポージャーが大きな懸念だとの中国の銀行監督当局の認識が引用され、すでに一般的な融資より厚めの引き当てを義務付ける動きがなされているとしている。
原題:High-Risk ‘Shadow’ Credit in China Put at $2.9 Trillion by IMF(抜粋)
[以上引用 マクロ経済動向と資産運用形成 研究室]