ソロス氏はリスク回避姿勢

ソロス氏のポジションについての記事が日経新聞にありましたので、掲載しておきます(※1)。

どうやら金鉱株はすでに処分したようで、代わりに米国株のプット(売り)・オプションを仕込んだ様子です。要するに、米国株はこれから下落すると読んでいるわけです。

当室も、ここのところ現金ポジションを高めていますが、日本株についても余り無理をせず、ソロス氏の言う通りNYダウのベアETNを少し買い増ししておく予定です。


[以下、引用]
◆(※1)ソロス氏はリスク回避姿勢、保有銘柄にみる投資心理
2016/8/17 10:01日本経済新聞 電子版

米証券取引委員会(SEC)に登録しているファンドは四半期ごとに、主な保有銘柄について期末から45日以内に情報を開示するように義務付けられている。その報告様式の名前にならい、業界では「13F」と呼ばれる。それぞれのヘッジファンドの株式保有状況を確認できる情報なので、市場の注目度も高い。

そして15日には、最新の保有状況となる4~6月期末分が出そろった。

今回目を引いたのは米著名投資家ジョージ・ソロス氏が率いるソロス・ファンド・マネジメントだ。S&P500種株価指数に連動する上場投資信託(ETF)のプット・オプション(売る権利)の持ち高をほぼ2倍に増やした。株を売る権利なので、米国株が先行きで下落すると見込んだ資産運用、と解釈できる。

公表済みのプット・オプションの保有量を時系列で見ると、増加傾向にあるのが分かる。

2015年10~12月期末
100万4000株

2016年1~3月期末
209万8300株

2016年4~6月期末
400万4000株

過去最高値圏で推移している米国株に対して徐々に警戒感を強め、オプションによるヘッジを増やしているのが明白だ。先行きの下落に備え、売る権利のオプションを増やしている。

さらにソロス氏は大量に購入して話題となった金鉱株も、ほぼ売り払った。世界最大とされるカナダの金鉱山大手バリック・ゴールド株の保有状況は以下の通りである。

2015年10~12月期末
保有なし(記載なし)

2016年1~3月期末
1941万9309株

2016年4~6月期末
107万1074株

金の価格が上昇する過程に首尾よく乗った後、早くも利益確定と思われる売却に転じたことがここでも明白だ。

一般的に金は投資家が「リスクオフ」に転じた時に買われる。株式相場の先行きに対して弱気ならば、金の保有量を減らすことはないはずだ。しかし、バリックのような金鉱株は株式投資と金投資のハイブリッドのようなもので、金価格よりはるかにボラティリティー(価格変動率)が高い。ゆえに、むしろリスク資産と見なされるのだ。

なお今回公表の保有状況は6月30日時点の数字だ。英国の国民投票結果で欧州連合(EU)からの離脱支持が多数を占めた後であり、金融市場の先行き不透明感が続くことを予測しての行動だろう。さすがの「投資の神様」もリスク回避の姿勢を強めているようである。カリスマ投資家ともはやされるソロス氏にあっても、英国のEU離脱を巡る今後の動きや、米追加利上げの行方など世界経済の先行きは読み切れまい。「次の一手に確信が持てなければ、決して無理はしない。そのかわり、ここぞ、という時には、大胆にリスクを取る」。個人投資家にも教訓となる事例であろう。
豊島逸夫(としま・いつお)
[以上引用 マクロ経済動向と資産運用形成 研究室]