信用度最低の「最弱リンク」企業増加、金融危機後の水準に迫る-S&P

米国経済の一面を示す指標として、「S&Pグローバル・レーティングによると、格付けが投機的等級の下限で、しかも見通しが「ネガティブ(弱含み)」の信用度が最も低い発行体の数は251に上った。これは264に達した2009年10月以来の多さ」だということです(※1)。

なお、S&Pの定義によれば、次の通り、「格付けが投機的等級の下限」とは「C」のこととなります。

*「BB」、「B」、「CCC」、「CC」、「C」に格付けされた債務は投機的要素が大きいとみなされる。この中で「BB」は投機的要素が最も小さく、「C」は投機的要素が最も大きいことを示す。これらの債務は、ある程度の質と債権者保護の要素を備えている場合もあるが、その効果は、不確実性の高さや事業環境悪化に対する脆弱さに打ち消されてしまう可能性がある。(S&Pホームページより)

米国の失業率は確かに低下してはいますが、支払い能力に脆弱性が見られる企業が増加しているということですと、やはり投資ポジション的に強気にはなり切れないところです。格付け「C」ですと、ほとんど倒産状態であり、その下は「D」(デフォルト)しかありません。「C」で見通しがネガティブというのは、間もなく倒産と言っているようなものです。


[以下、引用]
◆(※1)信用度最低の「最弱リンク」企業増加、金融危機後の水準に迫る-S&P
2016年9月5日ブルームバーグ
信用度がこれ以上落ちることのない「最弱リンク」に指定された企業が増え、金融危機から数カ月後の水準に迫った。

S&Pグローバル・レーティングによると、格付けが投機的等級の下限で、しかも見通しが「ネガティブ(弱含み)」の信用度が最も低い発行体の数は251に上った。これは264に達した2009年10月以来の多さ。S&Pが1日発表したレポートに従うと、この最弱リンクに該当する発行体は合計で約3590億ドル(約37兆4000億円)の未払い債務があり、業界別で最も多かったのはエネルギー企業だった。

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同社のマネジングディレクターでグローバル債券調査責任者のダイアン・バッザ氏はレポートで、「潜在的なデフォルト指標として、最弱リンクの発行体の動きは依然重要」だと述べた。バッザ氏の指摘によると、これに該当する発行体は通常の投機的等級を持つ発行体に比べ、デフォルト(債務不履行)に陥る確率がほぼ10倍高く、今年に入り債券がデフォルトと宣言された100社のうち、71社がそれまでに最弱リンクにランクされていた。

最弱リンクとされた発行体のうち石油・ガス企業が62社と、全体の約25%を占めた。商品市場の低迷が続いていることが背景にある。チェサピーク・エナジーやホーンベック・オフショア・サービシズなど、8月も同業界から8社がこのランクに加わった。石油・ガスに次いで多いのは金融で34社、全体の14%に上った。

このほかイーロン・マスク氏率いる電気自動車メーカー、テスラモーターズ、商業衛星運営で世界最大手のインテルサットも最近になってこのカテゴリーに落ち込んだ。インテルサットは最近、発行済み債券を新たな債券に交換する提案を特定の債権者に提示したが、S&Pは「資金繰りに窮した債務再編であり、デフォルトに等しい」との見方を示した。
原題:Credit-Crunched Companies Rise to Level Rivaling 2009, S&P Says(抜粋)
[以上引用 マクロ経済動向と資産運用形成 研究室]