大きなリスクを背負わないバリュー株投資法 かぶ1000さん

かぶ1000氏の個別株投資については、かなり参考となりますので、ZUUオンラインの記事を引用しておきたいと思います(※1)。バリュー投資家の方です。


[以下、引用]
◆(※1)14歳から株式投資?大きなリスクを背負わないバリュー株投資法 かぶ1000さん
ZUUオンラインより
カリスマの株式投資術(1)

かぶ1000さんは、これまでの人生を株のみで生きてきました。それもなんと14歳の頃からです。学校を卒業してから一度も就職やアルバイトをせずに、ずっと株式投資のみで生計を立て続けて今に至ります。

(本記事は、投資術研究会編集の『カリスマ投資家たちの株式投資術』=KADOKAWA、2017年12月22日刊=の中から一部を抜粋・編集しています)

株だけで生きてきた人生

かぶ1000さんプロフィール
居住地 岐阜県/性別 男性/年齢 44歳/職業 専業投資家
投資歴 30年/運用資産 2.5億円

「実家が貧乏なのが嫌だったのと、銀行の預金金利が低下したために他に有利な投資先はないかと探したときに、出会ったのが株だったのです。株式信託投資がどれも30%を超える利回りだったので、それに投資しようとしたところ、祖父や父から個別株をすすめられたのが最初の株式投資でした」

かぶ1000さんはこのときまだ14歳。

「以来、30年弱ほど株式投資を続けてきましたが、他の金融商品と比べての期待値の高さ、自分自身の判断ですべてを決断できることが株の魅力です」

ネットネット株にかける

かぶ1000さんのスタイルは、とにかく割高な銘柄をつかまないことだといいます。市場が注目している銘柄はたいてい割高なので、市場が注目している銘柄に触ることはめったにないのだそうです。そんなかぶ1000さんのスタイルはいわゆるバリュー株投資で、その中でもネットネット株という種類に分類される銘柄を見つけ出して投資しています。

まず、ネットネット株というものをご存じでしょうか。これは、アメリカの投資家ウォーレン・バフェットの師匠に当たる人物、経済学者ベンジャミン・グレアムが提唱した投資方法です。一言でいうと現金などのその企業の流動資産から負債総額を引いた額の2/3が時価総額より多い銘柄が、ネットネット株ということです。

これはどういうことなのかというと、企業が所有する正味流動資産に対して、株価のほうが下回っているということになります。つまり、その企業は株式市場では過小評価されているということで、この手の銘柄はそれ以上、株価が下がる可能性が低いことが最大のメリットです。値動きの激しい銘柄を取引するときのような大きな利益を得ることは難しいですが、その半面、価値も下がりにくいので、堅実に投資していきたい人にはおすすめの方法です。

かぶ1000さんは、まさにこの手法を用いることで元手の40万円を2.5億円超にまで増やすことができたのです。

「スーパーで食品か何かを買うとき、たいていの人は安い商品を選んで買いますが、それが株となると、みんな騰あがり始めたときに買うのが不思議でなりません。スーパーを何件か回って安い商品を探し出すように、おトクだと思える銘柄を着実に買っていけば、絶対とはいわないまでも損をすることは少ないでしょう」

近年は、短期的な投資で利益を得るスタイルが主流になりつつあります。この背景に Twitterなどのインターネットの普及により、誰でも簡単に情報発信できるようになったことが要因のひとつではないか、とかぶ1000さんは考えています。人に乗せられて稼ぐのは、やってみると実はそんなに簡単ではないし、どうしてもギャンブルのような要素が出てきてしまいます。

着実に稼ぐスタイルを培ってきたかぶ1000さんは、投機的なお金の使い方はまったくしません。値動きの激しい銘柄はハイリスク・ハイリターンですが、ネットネット株を含めたバリュー株はローリスク・ミドルリターンといえるでしょう。もし、あなたが億万長者を目指すわけではなく、ちょっとした副収入として株を売買しているなら、かぶ1000さんのようなバリュー株投資を検討してみてはいかがでしょうか。

3つに分けられるネットネット株

かぶ1000さんはバリュー株を3つに分類しています。まずは前述した基本的なネットネット株であるかどうか。会社の持つ現金資産より株価が安いなら、そこから騰がる可能性を期待するんですね。

2つ目は、資産を有価証券で持っている会社の株です。かぶ1000さんが持っている昭栄薬品(3537)は、花王(4452)の株を69万株保有しています。現在の時価評価で計算すると、昭栄薬品を1000株買うと花王の株を600株ほど持つ計算になります。これなら花王株を買うより昭栄薬品株を買ったほうがお得です。資金が豊富なら普通に花王を買ってもいいかもしれませんが、もし少しでも節約して投資したいなら、このような方法も検討する価値があるといえるでしょう。

最後は資産バリュー株と呼ばれるものです。土地や不動産などの含み資産をその会社が持つ純資産と合計して、純資産のみの場合とどの程度差があるのかを考えて、その差が大きければ買うのです。もし、その会社が一等地にビルを持っていたり、収益を多く生み出している賃貸不動産などを経営していれば、その差はかなり大きいかもしれません。

買い方は時代により使い分ける

この3つのパターンのうちのどの銘柄を重点的に攻めるのかは、そのときの情勢により異なります。その時々の経済動向を見極めて、どんな銘柄を攻めるのかを検討できるくらいの経済に対する観察眼を養うことが大事ですね。

デフレだった民主党政権時代の2009年頃までは、現金を多く持つネットネット株が最も有利でした。しかし、今は政府がインフレに持っていこうとして大量に現金を刷っていることや、株式市場全体が高値なため、その会社が持っている有価証券の含み益も考えると、前述のうちの2つ目のような資産を有価証券で持っている会社の株が強い、とかぶ1000さんは見ています。

その会社が保有する有価証券や土地の有無は、有価証券報告書を確認したり、IRに聞くことで確かめることができます。IRはその企業のウェブサイトで情報を公開したり、電話で応対してもらえる企業も多いです。IRが誠実な企業は、それだけ株主のことを考えてくれる企業です。その調査の意味で電話で、IRに質問してみるのもいいでしょう。それらをうまく利用できれば、利益をあげられる可能性もぐっと高まります。

負けないように常に気を配る

かぶ1000さんのモットーは「とにかく負けないこと」です。

「負けないようにするというのは、ただキャッシュポジションを高めればいいということではありません。『余剰資金』については、それらはすべて株につぎ込んでしまっていいと思っています。ただし、あくまで『余剰資金』であって、なくなると生活が立ち行かなくなるお金までも投資してはいけません。ポイントは、その余剰資金の比率をどこまであげられるかです」

現在のかぶ1000さんの株と現金の比率は、およそ8:2です。

「株のほうを高比率にしている理由は、株は待っていれば騰がる可能性が高いからです。たしかに情勢によって一時的に下がることはあっても、基本的に株はプラスサムなんです。その企業や経済自体の成長により、持ち続けていればいつかは騰がる日がきます。株に充てるお金を増やすためには、いかに株を多く持ち続けられるかが重要です」

この点においてもバリュー株は適しています。安くて買いやすい上に、仮に下がったとしても下落幅が少ないからです。しかし、いつ、どこで株価が騰がるかというのは予測が難しいものです。そのために常に株を持ち続けて、備えることが大事なのです。ただ、そのために全財産を突っ込むわけにはいかないので、失敗しないためにはそこの舵取りが重要になってくるでしょう。冷静に自分の生活費と株にかけられる予算を考えて配分することができれば、うまくいくかもしれません。

資金繰りのひとつの手段として、かぶ1000さんは様々な種類の銘柄に分散して買う方法を挙げています。

「収入の基礎となる部分は確実に利益になるバリュー株で固めていますが、その上で優待株や配当金目当ての銘柄も買っています。株主優待を使って現金出費を抑えて、その分を新たな銘柄の購入資金にしたり、自分では使わない株主優待は売って現金化しています」

やることや考えることが増えるので、最初のうちからあれこれ手を出すのは少々難しいとは思いますが、慣れてきたらぜひチャレンジしてみてください。どんな方法でやるにせよ、とにかく負けないためにはどうするかという立ち回りを常に演じられるかどうかで、成功するか失敗するかが決まってくるでしょう。

早ければ早いほどよい

市場を見てもどれがバリュー株なのかよくわからないとか、会社の保有する有価証券や土地の調査に行き詰まっても、別の解決手段があります。自分の生活に身近な企業の株に目を向けることです。自分で今の状況が理解できているということが重要で、よくわからないのにお金をつぎ込んでしまうのはギャンブルと変わりありません。スーパーやレストランなどなら、自分で直接出向いて「実地調査」することが有効です。

例えば、そこではどんなものが売っているのか、安いのか、高いのか、若者向けか、それより上の世代向けなのか、その地域に住んでいる年齢層と照らし合わせて、客の入り具合を調査できます。定期的に訪れて客の入りの増減を確認すれば、今後の業績の良し悪しも把握できるでしょう。かぶ1000さんも、調査のためにいろいろな店に出向いているそうです。この調査方法が通用する銘柄なら決算が出る前にわかるし、その企業に株主優待があるなら、そのサービスを利用して現金を節約することも可能です。

前述したように、かぶ1000さんはこのようにいくつかの種類の株(バリュー株、優待株等)を組み合わせて投資しています。まずは身近な企業に投資して、株の感覚をつかんでみるといいかもしれません。そしてかぶ1000さんは、これからの相場はあまり予測することはありません。

「市場全体は複雑すぎるので、いつ暴落しそうとか、高騰しそうとかを予測するだけ無駄でしょう。もし大暴落が起きて損したら……と怖がって株を買うことを躊躇しているなら、それは非常にもったいない。20代ならば、いくらでも失敗していいからチャレンジしてほしいと思います。1ヵ月に1万円だけでも稼げるなら、一生のスパンで見るとそれはとても大きなものになっているでしょう。30代までの失敗なんて、いくらでも取り返せますから」

現に、かぶ1000さんの知り合いにも、これまでに合計5回、株式投資から退場した投資仲間がいます。ですが、その人は今、資産数億円を築いて大成功しているそうです。「私ほど早い必要はないが、株をやるなら早ければ早いほどいい」かぶ1000さんは中学生の頃から株式投資を続けてきました。これは堅実な投資を貫いてきたからこそいえる言葉ですね。誰しも失敗は恐れるものでしょう。ですが、もし後々になって「あのとき、ああしていれば……」という気持ちになってしまうのはどうでしょうか。かぶ1000さんもいうように、若いうちならば大きな失敗をしてしまってもいくらでもやり直しはききます。もしあなたが今、思うようにいかない・満足していないならば、それを新しい一歩を踏み出すきっかけにすることもできるでしょう。
[以上引用 マクロ経済動向と資産運用形成 研究室]