仮想通貨を始めた人の大半は、大損をしているはず?

ビットコインについては、投資家によって評価の分かれるところではありましょうが、現状では当室管理人はビットコインには手出し無用と考えています。参考となる記事がまぐまぐニュースに掲載されていましたので、全文引用しておきたいと思います◆(※1)。

ビットコインの仕組みについては、当室管理人には良く分かりません。一番近い性質の投資対象としては、ゴールドである様に感じます。ただ、ゴールドは一般的には現物の裏付けがありますので、最悪でもゼロになることはありませんが、ビットコインの場合はデータだけなので現物の裏付けが何もありません。持ちたい人がいなくなれば、最悪価値ゼロもあり得るということになります。たとえて言えば、無配のボロ株の様なイメージが正しいのかも知れません。持っていても配当もなくほとんど無価値なのですが、マネーゲームで乱高下することがたまにある、という様な。

ビットコインは将来性も乏しいかも知れません。銀行が本格的に現金取引を削減するべく電子データ決済を推進する方向に取り組み、資金決済が手軽にできる様になれば、取引手数料も低下して、わざわざビットコインを使用する必要性もまた低下する様に思います。現金流通のコストは銀行にとって負担が大きいので、電子決済化は利点が結構大きく、政府の後押しもあって、案外進展が速いかも知れません。

ビットコイン自体が金の様な現物価値を持っていませんし、その使用価値も低下すれば、保有する意味が低下してしまい、価格もゼロに近くなるのではないでしょうか。乱発される「藩札」か「軍票」の様なものと例えられるかも知れません。


[以下引用]
◆(※1)「ビットコイン暴落」から逃げ遅れた人々が認めない不都合な真実
ビジネス2018.06.04 295 by 大村大次郎/MAGMAG NEWSより
大村大次郎(おおむら・おおじろう)
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。

“億り人”の真実
前回の「『ビットコイン暴落』が的中。元国税の警告する仮想通貨リスク」に続いて、仮想通貨の話です。先日、国税庁の発表で、仮想通貨で1億円以上儲かった人(いわゆる「億り人」)のだいたいの人数が判明しました。まずは、5月25日に配信された時事通信のニュース記事を読んでください。
1億円超収入、300人規模=仮想通貨売買活発で─国税庁

2017年分の確定申告で雑所得の収入が1億円超あったとした納税者のうち、仮想通貨の売買で収入を得ていた人が少なくとも331人に上ることが25日、国税庁のまとめで分かった。昨年は相場高騰で、いわゆる「億り人」の急増が話題となった。国税庁は「331人の収入の大半は、仮想通貨売買によるものではないか」と分析している。

17年分の確定申告をした人は、前年比1.3%増の2,198万人。このうち、納税の必要がある641万人の所得金額は同3.4%増の41兆4,300億円、申告納税額は同4.6%増の3兆2,000億円だった。雇用の改善や株価が順調に推移したことなどが影響したとみられる。

仮想通貨売買による所得は雑所得として計上される。公的年金以外の雑所得の収入額が1億円以上だった納税者は、前年の238人から549人へと急増。このうち、仮想通貨取引で収入を得ていた人が6割超を占めた。(2018年5月25日 時事通信配信)

著者の解説
この記事を読むと、「億り人」は300人以上もいるんだ! 儲かっている人が多いなあ、俺(私)も仮想通貨をやってみよう、と思う人も多いかと思われます。

が、少し冷静になってもらわなければなりません。まず、仮想通貨をやっている人(購入している人)の母数から見ていきましょう。国内での仮想通貨の取引者は、364万人です。億を稼いだ「億り人」というのは、364万人のうちの300人ちょっとというわけです。実に1万人に一人しか「億り人」はいないのです。一時は、仮想通貨を買えば、誰もが大儲けできるように言われてましたが、決してそんなことはないのです。

ビットコインは2017年の初頭には10万円程度だったのが、年末には200万円以上の値をつけました。だから、たくさんの人が儲かったはず、という印象を持つかもしれません。しかし、ビットコインは、1年をかけて少しずつ上がっていったわけではありません。年末に急激に上がったのです。

社団法人「日本仮想通貨交換業協会」が平成30年4月に出した「仮想通貨取引の現状報告」によると、日本国内の仮想通貨の入金額は、平成29年11月までは月1,000億円を超えていませんでした。が、翌月の平成29年12月には1兆円を超えているのです。つまり、たった1か月で10倍もの入金があったわけです。ざっくり言えば、この1か月の間に仮想通貨を買った人(買った金額)が10倍近くに増えたのです。「仮想通貨を始めた」という人の大半は、この平成29年12月に集中しているわけです。

そして、ご存知のように、平成30年の1月には仮想通貨は大暴落をしてしまいました。だから、仮想通貨を始めた人の大半は、大損をしているはずなのです。

投資の素人たちが買い支えているビットコイン
仮想通貨は、これまで何度か資金流出事件などを起こして世間を騒がせてきて、今年の1月も大きな事件がありました。そのため仮想通貨の価格は暴落しました。が、現在、仮想通貨の価格は下げ止まっています。ビットコインなどは、最高値に比べれば、半値以下になりましたが、しかし、それ以上は値が下がりません。

株式市場などでは、一旦、暴落した株は、とことん下がり、紙切れ同然になることも少なくありません。特に、企業が何か不祥事などを起こし、信用を無くしたような場合は、一気に値が下がってしまいます。しかし、仮想通貨は、そこまでの値下がりはしていません。だから、「仮想通貨は将来性があるから、値が下がりきらないのだ」という解釈をして、今でも仮想通貨に期待している人はたくさんいます。

しかし、仮想通貨の値が下がりきらないのには、実は他に大きな理由があります。それは、仮想通貨が、簡単に言えば「投資の素人の相場」だということです。

仮想通貨市場には機関投資家が参入していない
仮想通貨というのは、実は機関投資家がまだほとんど参入していません。機関投資家というのは、ヘッジファンドなど、投資を専門とする機関のことです。ヘッジファンドというと、ハゲタカファンドとも呼ばれ、利益になることであれば、どんなものにでも、どんなやり方でも手を出すという事で、たびたび世界的に批判されてきました。昨今、たびたび世界中の非難を浴びるタックスヘイブンなどでも、ヘッジファンドはお得意様となっています。その、やたら利にさといヘッジファンドが、仮想通貨に手を出していないのです。これがどういうことを意味するのか?
仮想通貨は、ヘッジファンドさえ手を出さないほど、リスクが高いということなのです。

機関投資家が買っていないとなると、では仮想通貨を買っているのは一体誰でしょうか? 実は、「日本の普通の個人たち」なのです。仮想通貨の中で9割程度のシェアを持つビットコインの国別の保有割合は以下のようになっています。

ビットコインの国別保有割合
日本      57.7%
アメリカ    20.4%
ユーロ     3.1%
韓国      2.4%
その他     16.4%

つまり、仮想通貨の半分以上は日本が保有しているのです。なぜ日本の保有割合が高いかというと、日本は仮想通貨に対して比較的、寛容だったこと、そして、アベノミクスによる金融緩和でお金が余っていたことなどが考えられます。

が、ここで、注意しなくてはならないのが、ビットコインを購入している日本人が、決して投資に詳しいわけではない、ということです。日本人は、アメリカなどに比べるとはるかに国民の「投資」が少ないのです。

アメリカ人は、資産の一部を株式などの投資に振り分けるということは、ごくごく普通に行なっています。しかし、日本人の場合、自分の資産を「投資をする」ということは、あまり一般的ではありません。つまり、そもそも日本人は、投資になれていないのです。

そんな中、仮想通貨という儲け話が降ってわいたわけです。もし、仮想通貨がそんなに儲かるというのであれば、アメリカ人はなぜもっと関心を向けないのでしょう?

話をもとに戻しましょう。総じて言えば、現在の仮想通貨市場というのは、投資の素人ともいえる日本人の個人が支えているのです。そして、それが、仮想通貨が下がりきらない大きな要因でもあります。
なぜ仮想通貨の値は持ちこたえているのか?

機関投資家やプロの投資家であれば、投資対象の相場が崩れたとき、一定の水準に達すれば、思い切って全部処分します。多少、損をしていたとしても、それ以上の大損をしないためです。だから、普通の金融取引市場では、ある銘柄が一旦、暴落すればあっと言う間に底値に達したりするのです。

しかし、仮想通貨の場合、「多少、損をしていたとしても、それ以上の大損をしないために処分する」という法則性を持っていない投資家がほとんどです。それがかえって功を奏し、今のところ底値には至っていないのです。逆に言えば、現在の仮想通貨相場は、逃げ遅れた人たちによって形成されているとも見ることができるのです。

なぜ仮想通貨はやたらと「技術力」を宣伝するのか?
筆者が、仮想通貨のリスクを訴えると、SNSなどで、こういう反論をする方をよく見かけます。「大村という人は、ビットコインの革命的な技術革新について何も知らないのだ」「だから、仮想通貨の本当の価値を見出していないのだ」と。なるほど、ビットコインなどの仮想通貨は非常に高い技術でつくられていると。とりあえず、そういう事にしておきましょう。

が、冷静に考えてほしいのは、その高い技術の恩恵に浴している人がいますか? ということです。通貨にとってもっとも大事なのは、「安全」です。安心して、保管し、使用できるものでなければ、通貨は信用されませんし、通貨としての存在価値はありません。その安全面において、仮想通貨というのは、信用できませんよね? この短い期間でかなりヤバい事件が起きています。

どれほど高い技術を持っているか知りませんが、それは実際には役に立っていないのです。少なくとも、通常の銀行の電子取引に比べれば、はるかに危険が大きいわけです。銀行の電子取引は、仮想通貨よりもはるかに多くの取引があり、仮想通貨よりもはるかに莫大な金額が毎日毎日動いているわけです。しかし、仮想通貨のような大きな資金流出事件などは、これまで起きていません。つまりは、仮想通貨の技術というのは、もしかしたら部分的、専門的には高いものがあるかもしれませんが実用面においては、まったく高いとは言えず、むしろ不安定で危険なものなのです。

でも、仮想通貨信仰者の方々は、
「仮想通貨はすごく高い技術を持っている」
「その技術は資産としての価値があるのだ」
「だから、仮想通貨は今後、発展していく」
と信じています。なぜ、そう信じているかというと、そもそも仮想通貨が、そういう喧伝をしてきたからです。各仮想通貨は、創設時から今に至るまで、さんざんやかましく
「仮想通貨はすごく高い技術を持っている」
「その技術は資産としての価値があるのだ」
「だから、仮想通貨は今後、発展していく」
と宣伝してきました。仮想通貨信仰者の方々は、その宣伝をまともに信じ込んでしまっているわけです。

しかし、冷静に考えてください。銀行が、電子取引をすることも、実は非常に高い技術が必要です。世界中の銀行をネットでつなぎ、瞬時に取引をするわけです。また世界中の悪い奴らが、アタックしてくるわけですから、その防御にも大変な技術が必要なわけです。

が、銀行が電子取引をはじめて20年近くたちます。が、先ほど言いましたように、まだ仮想通貨のような、大掛かりな資金流出事故のようなことは起きていません。それでも、銀行は、自分たちの技術をそれほど誇示することはありません。なのに、なぜ仮想通貨はことさら「技術力」を誇示するのでしょうか? そこに仮想通貨の大きな弱点があるのです。

仮想通貨が、実体のない通貨だということは、これまでこのメルマガで何度か言及してきました。仮想通貨は、貴金属との兌換を保証しているわけでもなく、発行元が巨額の資産を持っていていざというときに、価値の保証をするようなものでもありません。また、普通の通貨のように、国がその価値に責任を持っているわけでもありません。まったく架空に作られた通貨であり、何の価値の裏付けもないのです。

その架空の通貨を、流通させるためには、多くの人に、「この通貨は価値がある」と信じ込ませなければなりません。そのために、やたらと、「仮想通貨というものは、すごい技術で作られた未来の通貨なのです」と喧伝してきたわけです。つまり、技術の高さをここまで誇示するということ自体が、信用のなさの裏返しということなのです。
今回は、ここまでにしておきましょう。仮想通貨については、まだまだ言い足りないことがあるので、いずれまたお話したいと思います。
[以上引用。マクロ経済動向と資産運用形成 研究室]