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zoom RSS ギリシャ、3年ぶり国債発行再開へ

<<   作成日時 : 2017/07/25 20:34   >>

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何と、これは・・・(※1)。ギリシャ国債発行再開ですと!

ギリシャ国債とAIIB債、うーむ、買うとしたならばどちらでしょうか。AIIB債の方が幾分ましですか、金利水準にもよりますが、格付けが一応トリプルAですから。

7月11日に報道されたアルゼンチンの100年債が、「発行は6月末で利回りは約7.9%。30億ドル弱の発行額に対し、『90億ドル程度の申し込みがあった』」(※3)らしいので、8%レベルの利回りであれば、投資家の需要はありそうですが、ギリシャの目指す5%弱の利回りでは、さすがに5年債でも消化困難ではないでしょうか。

ちなみに、アルゼンチン債の格付けは「シングルB」だそうです。

それにしても、一体誰が買うのでしょうか、ギリシャ国債とAIIB債。金融環境的には、米国金利が少しずつ上昇することが予定されていますので、米国債との利回り差は相当程度ないと買えないと思います。



[以下、引用]
◆(※1)ギリシャ、3年ぶり国債発行再開へ

2017/7/24 22:40日本経済新聞 電子版

【イスタンブール=佐野彰洋】ギリシャ政府は24日、5年物国債を発行すると発表した。同国の国債発行は2014年以来3年ぶり。国際通貨基金(IMF)が20日に条件付きでギリシャへの融資再開を決めたのを受け、市場復帰が可能だと判断した。25日に条件を決める。チプラス政権は債務危機からの脱却を印象付けるため、14年4月に発行した5年債の利回り4.95%を下回ることを目指しているもようだ。

15年夏に始まった今の第3次金融支援は18年8月に期限切れを迎える。独自の資金調達ルートを確保するため、市場の反応を試す。今回の発行再開に伴い、ギリシャ政府は19年に償還を迎える国債の保有者に対し、償還前の買い取りと新発債への乗り換えも提案した。


◆(※2)ギリシャ、国債発行再開の裏側

2017/7/25 11:30日本経済新聞 電子版

ギリシャがいよいよ新規の国債発行に乗り出す。しかし、ギリシャ債務問題の根源は解決からはほど遠い。

なんといっても、40兆円以上に上るギリシャの公的債務は、同国の脆弱な産業基盤では、まともな返済は不可能に近い。
そこで国際通貨基金(IMF)は、まずは債務削減が必要と主張する。それができなければギリシャへの融資には応じられない、という姿勢を貫いてきた。

一方、実質的に最大の貸し手であるドイツは、秋に総選挙を控える。ギリシャに対する債務削減は、選挙民からの反発が必至だ。
両者の言い分が平行線をたどってきたが、ここにきてIMF側が、条件付きながらもギリシャへの融資に応じることになった。

これに対し、ギリシャ国債を買う投資家の立場としては、欧州中央銀行(ECB)のお墨付きが欲しいところだ。具体的には、ECBの量的緩和プログラムの買い入れ国債対象にギリシャ国債が入れば、投資家にも一定の安心感を与える。

しかし、今月20日のECB理事会後の記者会見で、ドラギ総裁は、この点について聞かれ、ギリシャ側が救済条件を確実に満たすことを行動で示さねば市場の信頼は戻らない、と素っ気なく答えた。

そのギリシャ側の対応だが、チプラス首相は、更なる緊縮財政を約束している。しかし、ギリシャ国民の我慢はギリギリの限界に達している。

アテネでは「もはやこれ以上の年金カットには耐えられない」と叫ぶデモがまたぞろ出始めている。たしかに筆者が現地で知り合った市民たちによると、「蓄えも無くなり、あすからは教会のお世話になる」というような事例が中産階級にまで波及しているという。なかには「こんな借金の山を返せるわけもないだろう」との開き直りさえ見られる。こうなると、借金した方より、貸した方が困る事態となる。

返済のアテもない貸金だが、ドイツ国民は債務削減により、みすみすギリシャに血税を奪われることに強い抵抗を示す。とはいえ、債務削減せず放置すれば、早晩、貸金は臨界点を超えてしまうだろう。

ドイツとギリシャはおそらく、秋の独総選挙後に、本格的な債務削減交渉に入ると思われる。このような状況下で、ギリシャは、自立した資金調達の手段である国債発行の再開に乗り出すわけだ。

買い手として考えられるのは、当面、ギリシャ人の個人投資家と、ヘッジファンドくらいのものか。ただ、マイナス金利下で欧州機関投資家が「イールド(利回り)の追求」に必死に明け暮れるなかでは、ギリシャ5年債で予想される4〜5%前後の利回りは魅力的に映るかもしれない。

実はギリシャは2014年にも国債発行を再開している。当時はギリシャ経済回復についての楽観論が市場に流れていた。しかし、ギリシャは結局、借金地獄から抜け出せなかった。

今回のギリシャの国債発行再開も、経済回復を誇示したいチプラス政権と、とりあえず貸し倒れのリスクが後退したことを示す事象にしておきたい欧州連合(EU)、特にドイツ側との暗黙の了解の産物にも見える。

ここは投資家として冷静な見極めが肝要だろう。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸’s OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org


◆(※3)アルゼンチンが100年債 3400億円、運用難で需要集める

2017/7/11 23:51日本経済新聞 電子版

アルゼンチン政府は償還までの期限が100年に及ぶ「超長期債」を発行した。発行額は30億ドル(約3400億円)弱だが、投資家から3倍超の申し込みがあったようだ。同国は債券の元利金の返済が滞る「債務不履行」の常連で、信用力に不安を残す。それでもマネーが殺到するのは、世界的な低金利に悩む投資家の運用難の深刻さを映しているといえそうだ。

国債の発行は6月末で利回りは約7.9%。30億ドル弱の発行額に対し、「90億ドル程度の申し込みがあった」(国内証券の債券担当者)という。欧州の保険系金融機関などが購入したもようだ。

米格付け会社S&Pグローバル・レーティングによると、同国の長期債務の格付けは「シングルB」。投資不適格の部類に入るが、2015年末に就任したマクリ大統領の経済改革などに期待する向きがあるようだ。

100年債は過去にもアイルランドやベルギーなどが発行。企業でもブラジルの国営石油大手ペトロブラスなどで実績がある。長期に資金を安定調達するねらいがあるが、償還までの期限が長くなるほど投資家にはリスクも高まる。

一方、アルゼンチンは「過去100年に6回、債務不履行を起こしている」(みずほ総合研究所の長谷川克之市場調査部長)。信用力は低い。00年代初頭の債務不履行では、日本の個人投資家も国債を保有していたことから大騒ぎとなった。それでも資金が集まるのは世界的な金融緩和で生まれた大量のマネーが投資先を探すなか、アルゼンチンの国債の金利が相対的に高いためだ。

足元では米国が利上げを進めているが、政策金利はなお1%台。日本ではマイナス金利が続くなど、債券市場を中心に世界の投資マネーの運用環境には逆風が吹く。SMBC日興証券の服部博則クレジット市場部長はアルゼンチンの国債について、「多少信用力が低くとも、運用に困った投資家が消去法的に買っている」とみる。
[以上引用 マクロ経済動向と資産運用形成 研究室]

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