バフェット氏によるゴールドマンへの投資結果は?

以前このブロクでも取り上げましたように、バフェット氏は08年9月の段階で、①ゴールドマン・サックスの永久優先株50億ドル(配当利回り10%)と、②5年以内にゴールドマンの普通株を1株115ドルで購入できるワラント50億ドルを取得しています。08年9月といいますと、NYダウ暴落の初期段階であり、投資時期としてはかなり早い段階であったということができます(※1)。

その後、バフェット氏は08年10月の段階で、自分は米国株を買っている旨を公言し、ニューヨークタイムズ紙に寄稿までしています。これもすでに紹介した通りです。「コマドリを待っていたら、春は過ぎ去ってしまう」という名文句(?)の寄稿でした(※2)。この段階では依然としてNYダウは低迷中であり、他の投資家は悲観一色でした。

09年になってからの途中経過としてバフェット氏は、株式市場が依然として底値を這っていた3月12日の報道では、相場の下落と市場参加者の減少を理由に挙げて、米国株は買い場だと述べるとともに、ゴールドマン・サックス(GS)とゼネラル・エレクトリック(GE)への投資については、「両社のワラントを行使することで利益を得られるかは分からないとし、「(ワラントの行使は)まあまあ良いことだと思う。どちらか1社について行うかもしれないが、詰まるところ優先株保有で満足している」と述べ」ています(※3)。GS優先株だけで年間5億ドルの配当があるわけですから、リターンとしては十分でしょう。

そして09年6月19日の現段階でどうなっているのか、といいますと、優先株からの年間5億ドルの配当金の他に、1株あたり115ドルで普通株を50億ドル分購入できるワラントの含み益が10億ドル以上発生しています(※4)。

結果だけから見れば、バフェット氏の投資時期はやや早かったと言えますが、ゴールドマンから有利な条件を引き出すためにはそうした当時の株価下落見通しに対する危機感が背景として必要であったわけですから、10月以降の下落継続をも見越していたとするならば、やはりバフェット氏の相場観は確かなものだと言えますし、含み損に対する忍耐力も相当なものだと思います。

長期保有を基本スタンスとするのであれば、買ったことを忘れるくらいでないとダメなのかも知れません。

ご参考までに、ヤフー・ファイナンスからゴールドマン・サックスの株価推移グラフを転載しておきます。
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(※1)「バークシャーは、配当利回り10%の永久優先株を50億ドル購入。さらに今後5年以内にゴールドマンの普通株を1株115ドルで購入できるワラント50億ドルを取得する。
ゴールドマンによると、少なくとも25億ドルの普通株売り出しも計画している。
バフェット氏は声明で「ゴールドマンは非常に優れた金融機関」とし、高いパフォーマンスを維持するための比類ないグローバルな業務体制、優れた経営陣、知識や財務面の基盤を確保している、と指摘した。
ゴールドマン株は、23日のニューヨーク株式市場で3.5%高の125.05ドルで引けた後、時間外でさらに8.5%急伸している。」
(以上、「米バークシャー、ゴールドマンに50億ドル出資へ」08/09/24ロイターより抜粋)http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-33899320080924

(※2)「[17日 ロイター] 米著名投資家のウォーレン・バフェット氏はニューヨーク・タイムズ紙に寄稿し、自分は米国株を買っていると明らかにした。
同氏は「株を買い入れるルールは単純だ。他の人々が強欲になっている時に恐れ、皆が恐れを抱いている時に欲を出すことだ」と述べた。
同氏は、経済ニュースは悪く、金融市場は混乱し、失業者は増加し、企業活動は減退していることを認識しているとしながらも「市場心理や経済が上向く前に、おそらく市場は上昇に向かい、しかも大幅に上昇するだろう。コマドリを待っていたら、春は過ぎ去ってしまう」と指摘した。
さらに「米国の多くの健全な企業の長期的な繁栄に対して不安を持つことは、理にかなっていない」と述べた。」
(以上、「自分は米国株を買っている=ウォーレン・バフェット氏」08/10/17ロイターより全文掲載)http://jp.reuters.com/article/domesticEquities4/idJPnTK826457020081017

(※3)「米国株、バークシャーにとり買い場─バフェット氏=報道」(09/03/12ロイター)http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-36957120090312

(※4)「ジョンジグヨン氏は、バフェット氏は優先株から年5億ドルの配当を得て、ワラントの含み益を計上するだけとみる。なおこのワラントは最長5年間、1株あたり115ドルで普通株を50億ドル分購入できる。
ゴールドマン株は18日、143.09ドルで終了。つまり、ワラントを今行使すれば10億ドル以上の利益を得ることになる。また優先株の配当利回りは10%で、公的資金の配当利回り5%の2倍にあたる。」
(以上、「米ゴールドマンが公的資金完済、次はバフェット氏の影響に注目」09/06/19ロイターより抜粋)http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-38638120090619?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0