円安対策としてのポートフォリオ/内藤忍氏による

■円安対策として外貨資産を持つ
今月(8月号とは気の早い)の「ダイヤモンドザイ」の一つのテーマは、円安リスクに対する保険ということで、4人の方の参考ポートフォリオが掲載されていました。その中では比較的穏健なポートフォリオである内藤忍氏のポートフォリオを参考までに次に掲載しておきたいと思います。

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 (「ダイヤモンドザイ」2011年8月号より引用)

ところで、当室の予想後なかなか実現しませんが、今後の米国金利上昇局面が到来すれば、円安方向に為替が振れるのは間違いのないところですので、1ドル80円近辺の「円高」である今のうちに、ポートフォリオ上の外貨資産構成割合を増やしておくという考えは妥当だと思います。当室としても、先進国株投信は少しずつですが比重を高める「方針」ではいます。

ただし、次の諸点は考慮しつつ、情勢を十分に観察する必要があります。

①米FRBによるQE2終了の影響・・・6月末で終了しても流動性供給は当面現状維持。現在株価に織り込み中か。
②ギリシャの財務危機・・・格付けCCCゾーンはほとんど倒産同然の評価(※1)。EUがうまく支え切れるか。
③中国のインフレと金融引き締め・・・政府公表数値よりは実態はおそらく高インフレ。引き締めはそろそろ終盤か。
④米国の成長見込み鈍化・・・住宅価格と失業率の改善を注視。思いの外、成長率低下か。

現在のところ、米国株は調整中、日本株は驚くくらいの変動率の低さで横ばいです。ただ、日本株の横ばい現象は、日銀買い支えの効果とはいえ、横ばいの後には一度下げるケースが多いので、安心して買い進める場面でもありません。米国株については、調整完了を待ちながらの買い進み(これが結構難しい)としたいところです。

■内藤氏のポートフォリオも1年間で大きく変化
円建て主体の資産構成の人に対するアドバイスとして、今回の内藤氏の説明では、「円高となった場合は、外貨資産の評価が下がる一方で、円資産の評価が上がるので問題ないが、外貨資産を持たない状態で円安局面を迎えたら、購買力が大きく低下してしまう」とされ、上記の通り40%を外貨資産とするポートフォリオ構成となっています。なお、期待リターンは年平均5-7%程度とされています。

ちなみに、次のポートフォリオは、昨年2010年4月時点で、当室が参考までに掲げておいた内藤氏によるオススメのポートフォリオでした。投資アドバイザーの第一人者とも言うべき内藤氏といえども、1年の間に、推奨ポートフォリオにかなりの相違点が出てきているのは、或る程度致し方のないことなのでしょう。しかしながら、長期投資を標榜する以上、大きなポートフォリオ改変が生じる場合は、内藤ファンの一人としては理由説明の欲しいところです。

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          (ダイヤモンド ザイ 2010年6月号より作成)

◆(※1)ギリシャをトリプルCに格下げ、デフォルトの可能性高まる=S&P
 2011年 06月 14日 ロイターより引用
「[ニューヨーク 13日 ロイター] スタンダード&プアーズ(S&P)は13日、ギリシャの長期信用格付けを従来の「B」から3段階引き下げ「CCC」とし、債務再編が行われる公算は大きく、その場合デフォルト(債務不履行)と判断すると述べた。
トリプルCは世界各国の格付けのなかでも最低水準。格付け見通しは「ネガティブ」とし、今後12─18カ月以内にさらに格下げする可能性を示唆した。短期格付けは「C」に据え置いた。

S&Pは声明で、ギリシャの債務再編について、民間部門を伴い、債務交換もしくは既存債務の償還延長を通じて行われる可能性が徐々に高まっているもようだと指摘した。

「われわれの見方では、そうした手続きはリファイナンスされる債務と比較して、一層好ましくない状況となる公算が大きく、S&Pの公表基準に従い、事実上のデフォルトとみなすことになる」と述べた。

またその場合のギリシャの信用格付けの判定は「選択的デフォルト(SD)」で、債務に関する格付けは「D」になるとした。」[以上 引用]