「20%上昇で処分」も有効な方法の一つ

■短期的処分のメド
当室の投資方法は流動的であり、定型的なやり方は必ずしも採用していませんが、個別株の短期的な処分目処としては、次のように考えています。

①上昇した場合は、短期的に20-30%の上昇で利確処分。
②下落した場合は、短期的に10%下落で見切り処分。
③①②の中間にある場合は、次の投資対象を発見した場合に適宜処分。

①の2-3割上昇したら処分するという方法は、当室の経験則によるものですが、その背景にある考えとしては、「目標利回り8%を想定しても利回り換算で3年分の利益確保になる」ということです。利確処分して3年間の間に、また次の投資機会を検討し再投資すれば、投資成果的には十分都合の良い想定プロセスとなります。

なお、「短期的に」という判断は、経済情勢と合わせてチャートによる上昇スピード(つまりは傾斜)を眺めて判断します。きわめてアナログな世界であり、「t日間に上昇率α%なら処分」というような計算は行いません・・・。

当室と同様の考え方の人もいるものと見えて、「オール投資」に次の内容のコラムがありました。ここでなされている説明ほど現実に上手く運用できれば苦労はありませんが、株式運用上の有効な考え方の一つではあるものと思います。もっとも、この方の運用対象のメインは株式ではなくて債券のようです。

[以下、引用]
◆「2割の値上がり益を確保することは、約3年間、年7%で運用した結果と同じになります。私はこのことに気づいてから、「2割の利益確定はすごいこと」と目からウロコが落ちました。株式投資を利用すれば、債券投資ですごいと感じていた年7%の運用利回りを確保することはそれほど難しくないことだと気づいたのです。

たとえば投資した株式が短期間に2割値上がりしたとします。この先、さらに上昇することは有りえるものの、どこまでも株価は上がりつづけることはありません。すでに20%上昇しているわけですから、いずれ年8~12%のリターンに下方修正される株価の下落場面があると割り切って考えて利益を確定するのです。

こうして3年間7%の運用利回り(1.2倍=1×1.07×1.07×1.07)を確保し、再び2割程度以上の株価上昇が期待できる割安な場面をじっくり待ちます。」
[以上 オール投資2011.8.1号より引用]


■この方法の欠点
なお、この方法の欠点は、次の3点です。

(1)中長期的利益を獲得する判断が鈍ります。
(2)思惑通り上昇しない場合の判断に困ります。
(3)インデックス・ファンドのように個別株ほど変動が鋭敏でない投資対象に応用できるかどうか、も検証が必要です。

中長期的には、株価の勢いが少しずつ発揮されて、やや時間を掛けて30%以上上昇してしまうケースもありますから、その場合の得べかりし利益を逃してしまう結果となり易い方法と言えます。「20%上昇=即処分」という定式化をしていますと、結構判断を誤ります。また、処分した株が、実は成長株であったというケースですと、中長期的には2倍以上に値上がりしたりします。

また、インデックス・ファンドへ応用する場合には、処分の基準となるパーセンテージを狭め、対象期間をやや延ばす必要がありそうです。

しかしながら総合的には、この方法は短期的に手堅く利確出来ているとも言えます。株式投資で20-30%の上昇は発生頻度としては比較的多く経験しますし、また20-30%の上昇で天井を打ってしまい、その後長持ちして下落して後悔するという嫌なケースも、しばしば経験する事柄です。個別株の短期運用の場合には、或る程度は有効な方法でしょう。

以上、データ根拠の薄い話ですので、一つの「たわ言」とお考えください。