ソロス氏、現金比率75%

当室のブログは、体力的・時間的に制約がある関係で、原則的に週1回の更新としていますが、資産運用上重大な影響が予想される記事を発見した場合は、余程無理がない限りは、随時アップロードすることとしています。

さて、昨日届いた今月の雑誌「選択」8月号に、次の記事がありました。

◆「米国景気の深刻な低迷を受け、ヘッジファンドの親玉ジョージ・ソロス氏が最近、『いまの株価は高すぎる。近く暴力的な下げがある』として、手元の現金比率を75%に上げた。下落したら買うが、現時点では手持ち株はリスクが大き過ぎるとしたのだ。他のヘッジファンドもこれに同調、先物の戻りを増やしているという。」(雑誌「選択」2011年8月号「憂慮すべき米国経済」)

ソロス氏の判断根拠を推定して、当該記事が挙げている米国経済低迷の実情としては次のものに要約できましょう。

①フードスタンプ受給者数が、リーマンショック前2800万人→現在4500万人に増加。
②公表失業率は9.2%だが、潜在失業者を含めた実質失業率は16.2%。
③昨秋連邦裁判所が差し止め命令を出していた住宅競売が再開されれば、中古住宅在庫が急増し、住宅価格の低迷が継続する。
④2012年の景気対策予算は、4555億ドルと、2011年度比1000億ドルの大幅減となる見通し。
⑤米国連邦債務上限引き上げ問題は解決しても、その代償として大幅な財政赤字削減になり、景気にマイナス効果がある。
⑥景気対策としては、QEⅢ(金融緩和第三弾)以外には見当たらない。

ちなみに、フードスタンプというのは、月収2500ドル(約20万円)以下の貧困家庭に配られる、食料品購入のための金券だそうです。

この中で驚くのは、働くことを諦めてしまった潜在的失業者を含めた実質失業率の16.2%という高さです。進む貧困化と深刻な雇用問題が、米国経済の足を引っ張っていることになります。

8月1日に発表された7月の米ISM製造業指数も50.9となり、前月の55.3から低下してしまいました(※1)。

当室のポジションは、4月時点からそれほど変化しておりませんので、このままソロス氏同様に現金ポジションの高いまま、当面様子見状態とせざるを得ないものと思います。
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 (NYダウ工業株価30種平均/2011.08.01終値・SBI証券より引用)


◆(※1)米ISM製造業指数:識者はこうみる (2011年 08月 2日 ロイターより引用) 
「[ニューヨーク 1日 ロイター] 米供給管理協会(ISM)が1日発表した7月の製造業部門景気指数は50.9となり、前月の55.3から低下した。新規受注指数の低下が響き、2009年7月以来の低水準となった。」