日韓通貨協定の拡充分、延長せず 政府方針「要請なければ」/日経WEB刊より

日本政府は、日経新聞WEB刊によれば、日韓通貨協定の拡充分は、韓国側の要請がない限り延長しない方針の様です(※1)。韓国は面子があるので死んでも通貨スワップの延長要請はしては来ないでしょうから、「韓国側の要請がない限り延長しない」という日本政府の方針は、可笑しくなるほどに見事にツボを押さえた方針と言い得ます。もし仮に今回韓国側から延長要請があったならば、今度こそは大々的に報道されますので、もはや「日本側の要請で仕方なく締結」などという先般のような逃げ口上は通用しなくなります。

しかしながら、その一方で、ブルームバーグの記事によれば、民主党は6日、円高・デフレ対策特別チームの会合を開き、経済産業部門会議がまとめた日本銀行に対する要請書を公表。その中で、日銀の資産買い入れ等基金を活用した「10兆円のアジア各国通貨建てを含む外債購入の検討」をはじめ、過度なアジア通貨安を未然に防ぐためのチェンマイ・イニシアティブの連携強化も明記しているというのですから、やや政府の対韓方針は怪しくなってきます(※2)。

その「要請書」で言うところの、「10兆円のアジア各国通貨建てを含む外債購入」というのは、よもやまさかの中国国債や韓国国債購入のことを指し示しているというような戯けた想定ではないと思いたいところですが、そうは言っても外資による韓国経済の強力な支配状況を勘案すれば、韓国経済を支援するというよりは、韓国に投資している外資を米国の要請により支援するという動機での韓国国債の購入はあり得るのかも知れません。

ただそれはそれとして、野田総理には、経済産業部門会議の要望書は無視していただき、中韓国債の購入却下はもちろんのこと、韓国との通貨スワップは完全打ち切りということでの対応を基本的にお願いしたいと思います。 


◆(※1)日韓通貨協定の拡充分、延長せず 政府方針「要請なければ」/日経WEB刊より
2012/10/3 0:26

金融市場の混乱時に日本と韓国の間で通貨を融通し合う日韓通貨協定で、今月末に期限を迎える危機対応の拡充分について、日本政府は韓国からの要請がなければ延長しない方針だ。欧州情勢が比較的安定し、韓国経済への先行き懸念も後退。日本政府は、現状では延長は必要ないとの判断を固めた。

2日の自民党の外交・国防合同部会で財務省幹部が示した。これまで韓国側から延長要請は来ていないという。

通貨協定は昨年10月、韓国側の要請で従来の130億ドル(約1兆円)から1年間の期限で700億ドル(約5兆5000億円)に拡充した。欧州債務危機の影響で欧州の金融機関が韓国から融資を引き揚げ、同国の対外的な資金繰りが悪化するとの懸念が広がったためだ。

ただ、欧州問題がいったん落ち着いたことで市場の混乱は収束。政府はすでに8月の時点で拡充枠の縮小を検討していたが、その後、欧米の格付け機関が相次いで韓国国債の格付けを引き上げるなど、韓国の対外信用力が改善してきた。

李明博(イ・ミョンバク)大統領の島根県竹島(韓国名・独島)上陸で日韓関係が悪化したが、日本政府は通貨協定はあくまで経済状況で判断する姿勢を示していた。安住淳前財務相は通貨協定の拡充分について延長するかどうかは「白紙で検討する」と発言した。

市場がこのまま落ち着いた状態が続けば、通貨協定の拡充は1年で終わる。政府は期限切れとなる月末まで情勢を見極めたうえで最終判断する。


◆(※2)日銀は10兆円規模の外債購入を、インフレ目標2%に-民主党経産部会/ブルームバーグより

9月6日(ブルームバーグ):民主党は6日、円高・デフレ対策特別チームの会合を開き、経済産業部門会議がまとめた日本銀行に対する要請書を公表した。10兆円規模の外債購入やインフレ・ゴール(目標)の2%への引き上げを盛り込んだ。同要請書は3日に前原誠司政調会長にも提出されている。座長の北神圭朗経産政務官が会合後の記者説明で明らかにした。

要請書は、日銀の資産買い入れ等基金を活用した「10兆円のアジア各国通貨建てを含む外債購入の検討」をはじめ、過度なアジア通貨安を未然に防ぐためのチェンマイ・イニシアティブの連携強化も明記した。外債購入についてはすでに民主党が次期衆院選で掲げるマニフェスト(政権公約)素案に「政府・日銀間のアコード(協定)」とともに盛り込まれている。

また、日銀が1%に設定している「物価安定のめど」について、ゴール達成が確実になった時点で、目標値の2%への引き上げも検討するよう主張。このほか、不動産や株式市場の低迷が企業活動の制約になっているとし、不動産投資信託(J-REIT)や指数連動型上場投資信託(ETF)などの商品を日銀が積極的に購入するよう求めている。

更新日時: 2012/09/06 14:09 JST
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]