どちらを優先 自分の老後と子の学費を考える

晩婚化の影響で、ご主人が定年を迎えてもまだ子供が学生だという家族も珍しくはありませんので、①住宅資金の準備・返済、②子供の学費、③老後資金の蓄え、という3大資金準備が重なってしまうことも、各自のケースで十分に思案する必要があります(※1)。

定年間近の当室管理人の場合も、子供2人はまだ学生です。幸い、住宅ローンだけは、60歳の定年到達とほぼ同時期に終了する計画ではありますが、子供の学費負担が終了するのはまだ先の話です。老後資金の蓄え準備と、子供の学費負担とが同時に来ているのが、まさしく当室管理人の家計です。

40歳で子供が出来た人は、当然ながら自分が60歳段階でも子供は20歳で大学生ということになります。中高大と私立の学費の負担は結構大きいので、子供の学費を負担しながら自分の老後資金を積み立てるのは相当に困難であることを、アラフォーの方々のために、改めてここで強調しておきたいと思います。晩婚の方の老後資金は、子供が小さいうちに心して積み立てる以外にはありません。なお、中学受験を考える場合は、塾の学費がさらに上乗せとなります。

他方、サラリーマンとしての収入面を思案しますと、仮に定年が60歳で雇用延長制度で65歳まで勤務できるとしても、60歳以降も同役職、同年収ということは稀です。それどころか、50歳以降は役職定年制度でもって年収が6~7掛けに激減してしまう職場も多いようですから、自分の想定通りには都合よく行かないのが世の中の常です。

先日、取引のあるメガバンクの担当者に雑談の中で尋ねてみましたら、50歳を過ぎると出向か役職定年で年収は6~7掛けにされるという話でした。銀行の支店長クラスで1300万円程度の年収があったとしても、7掛けにされると900万円程度に減少してしまいます。それでも世間水準よりは余程恵まれた水準ではありますが、油断して楽観的な年収を前提とした生活設計を組んでいますと大きな狂いが生じてしまいます。

当室管理人は、身分相応な生活水準に抑える努力はしてはいますが、それでも子供の学資負担はいかんともし難く、当面は赤字財政が続きそうです。子供に学資ローンを組ませるのも一案ではあるものの、子供が就職したとしても当面は安月給で学資ローンの返済負担は困難と思われ、余り現実的な選択とは言い得ないものと思います。

やはりここは、親が子供の学費への資金優先配分で踏ん張るしかなさそうです。


[以下、引用・抜粋]
◆(※1)どちらを優先 自分の老後と子の学費を考える
バラ色老後へ子育てとお金を考える(4)
2014/7/22 7:00日本経済新聞 電子版より抜粋

現在の20~40代の世代にとって「親も子も自分が面倒みる」はほぼ不可能です。幸い、親にはそれなりの資産や退職金、公的年金があるので、経済的に困窮することはあまりありません(特に会社員だった場合の公的年金は、夫婦で大卒初任給くらいの水準をもらえる)。

もし親に毎月5万~6万円も送っていたら、自分の生活は成り立たないし、子どもを育てることは難しいでしょう。公的年金の充実は、家庭内の仕送り負担を大きく軽減してくれました(その分、年金保険料負担が増えたのもやむを得ないのです)。

しかし、もうひとつのテーマが現役世代に残されています。「自分の老後の備え」です。「子どもの学費問題」と「自分の老後準備」を同時に考える、あるいは優先順位をつけることが重要課題です。

■老後準備、「子どもの学費負担終了後」ではうまくいかない

何度も指摘しているとおり「子どもの学費負担が終わってから自分の老後準備スタート」という順位付けではうまくいきません。

晩婚化と出産年齢の高齢化で、子の学費負担が50代後半まで食い込むことが一般的になりました。例えば我が家では、私が62歳になるまで子どもの学費負担が発生します。62歳から老後の貯金をスタートしても、おそらく間に合わないでしょう(もしもう1人子どもが増えれば65歳まで伸びます)。

順番に対応するなら住宅頭金を30代にためて家を買い、40代に子どもの学費準備は終わらせて将来の負担に備え、50代以降は自分の老後の準備に専念しなければなりません。普通のイメージと比べて、かなりの前倒しが必要です。「結婚前」から家の頭金や子どもの学費をためてもいいくらいです。そうでなければ、子どもの学費と自分の老後資金は同時並行で準備するしかありません。

■奨学金をとらせたら、自分の老後の経済的援助は求めない覚悟を

もし子どもの学費を親がすべて負担するケースで、自分たちの老後の経済的準備が不足することが明らかであり、老後に困窮する心配があればどうすべきでしょうか。つまり、自分の老後準備と子どもの学費負担が両立できないということです。

心情的には子どもを優先したくなります。しかし、なんとか育てた子どもは、親に仕送りするほど豊かに20代や30代を過ごすことはないでしょう。

自分の老後が苦しいことが分かった場合、子どもに奨学金を取らせる必要が出てきます。そのときに決断しなければならないのは、老後の貯金が1000万円ありながら、子どもの大学の学費約700万円の一部を奨学金にするような選択です。

米国のドラマなどをみるとセレブの子どもでも、学費はほとんど援助されず、将来の自分の稼ぎから返済する奨学金を利用するのが一般的です。優秀な人には返済不要の奨学金のチャンスがあり、少ない枠を巡る悲喜こもごもがドラマのエピソードとして紹介されています。

例えば子どもに対して「お前に奨学金を取ってもらい将来返済させるが、自分の老後について負担は求めない」と説明して、入学してもらってはどうでしょうか。子どもとお金の話をしない親が多いのですが、負担の重さやマネープラン全体の意義を説明できれば、子どもは奨学金の必要性を納得するでしょう。

■老後に余裕があれば、子どもに奨学金返済分を渡せばよい

実際に定年退職を迎え、思った以上に資産があった場合(持ち株会の株式売却益が過去最高値で売り抜けられた、退職金の増額改定後に退職日が到来したなどのラッキーがあった、個人資産で持っていた株価がアベノミクスパート2で2倍になった、など)も考えられます。

こうした場合は老後に支障がない資産を確保できたことを慎重にチェックしたうえで、子どもの奨学金を一括返済すればいいのです。子どもは喜びますし、介護の問題が生じたら親身に手伝ってくれるでしょう。

まだ就職もしていない子どもに自分の老後を委ねるようでは「バラ色老後」とはいえません。もらえるかどうか分からない子どもの仕送りがなければ老後の豊かさが手に入らないようなマネープランではなく、「自分の老後の豊かさは自分でしっかりためる」ことがバラ色老後につながるでしょう。子どもはまだこれから、という夫婦は一度、自分たちの将来像を話し合ってみてほしいと思います。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]