ギリシャの選択、固唾のむ市場 緊縮策どう判断

ギリシャの国民投票が本日7/5実施されますが、その影響は緊縮策への賛否どちらの結果がでても限定的と推測されますので、あまり動じないことが肝要かと思います(※1)。

緊縮策受け入れとなった場合には、株式市場にはプラス材料となりますが、少しの間上昇してからまた定常状態に戻るだけだと思います。

逆に緊縮策反対の結果となった場合は、当然ながら一波乱あるはずですが、それも短期間の問題で、株価は下落したとしても短期的であり、その後は悪材料出尽くしといういつものパターンで反転・回復するものと思います。

ギリシャはユーロから離脱して出直すのが正常な筋道であると考えられます。


◆(※1)ギリシャの選択、固唾のむ市場 緊縮策どう判断

2015/7/4 21:03日本経済新聞 電子版

財政緊縮策の受け入れの賛否を問う5日のギリシャ国民投票の結果を、市場参加者は固唾をのんで見守っている。事前の世論調査では賛否がほぼ拮抗しており、結果は予断を許さない。反対多数となれば混乱収拾の道筋が極めて不透明になるため、円高・株安が一気に進むとの見方がある。

■賛成なら 円安・株高進行、反動も

ギリシャの国民投票後、世界で最初に開く主要マーケットが東京市場だ。どんな結果が出ようと6日朝は荒い値動きになりそうだ。それでも、国民投票で緊縮策への賛成が上回れば、リスクに身構えていた市場参加者の警戒感は和らぎ、相場は比較的早く落ち着きを取り戻すとみられる。

賛成多数が判明した場合、まずは円安・株高が加速しそうだ。ギリシャがユーロ圏から離脱する最悪のシナリオが後退し、安全通貨とされる円を売ってユーロを買い戻す動きが強まる。「1ユーロ=138円程度まで、1円以上円安・ユーロ高が進む」(JPモルガン・チェース銀行の佐々木融氏)との指摘がある。円は対ドルでも1円ほど円安に振れるとの声が多い。

いよいよ国民投票、市場の反応は

賛成多数の場合 反対多数の場合
株式 寺尾和之氏(アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパン取締役)
【2万1000円目指す】 【不安定な展開に】
株価の重荷がとれる。日本企業の好業績を評価した買いが入りやすくなり、2万1000円を目指す 2万円を底値として不安定な展開に。スペインやイタリアで反緊縮派の勢いが増す懸念も
浜崎優氏(アムンディ・ジャパン投資情報部長)
【買い一巡後もみ合う】 【200円前後の下落】
円安・株高基調になる。買い一巡後は2万868円の年初来高値近辺でもみ合う展開 週明けは1%(200円)前後の下落にとどまる。ユーロ離脱の可能性は先週初でいったん織り込んだ為

替 諸我晃氏(あおぞら銀行市場商品部部長)
【ユーロ幅広く上昇】 【ユーロ下げは限定的】
ユーロが幅広い通貨に対して上昇。ただ問題を先送りするだけで、1ユーロ=140円超は望みにくい 最初はユーロ売り。ただリスク回避姿勢が強まると買い戻しが生じ、1ユーロ=133円台で下げ止まる
佐々木融氏(JPモルガン・チェース銀行債券為替調査部長)
【1ユーロ=138円に】 【市場混乱、ユーロ売り】
安心感からユーロ買いが入るが、1ユーロ=138円程度まで。その後はユーロ売りが強まる 市場混乱でユーロ売りに。1ユーロ=134円台、1ドル=121円台まで円高に。ただ長続きしない

日経平均株価も「買い戻しを巻き込み、ひとまず急伸する可能性が高い」(大和証券の池端幸雄氏)。ギリシャがユーロ圏を離脱し、南欧諸国に危機が波及するリスクが後退したと受け止め、国民投票が浮上する前に付けた2万0868円の年初来高値を目指す展開が予想される。

だが、楽観相場がどこまで続くかは不透明だ。市場参加者は「6日にチプラス政権が倒れた後、5~6週間後の総選挙に向かう」(サクソバンクの最高投資責任者、スティーン・ヤコブセン氏)とみている。総選挙までの暫定政権の陣容や、欧州連合(EU)などが債務不履行(デフォルト)を避けるため、どう資金支援するかなど、様々な焦点を見極める必要があるためだ。

混乱の揺り戻しがないか、神経質な展開は避けられない。日経平均株価は「一気に2万1000円超えとはいかない」(アムンディ・ジャパンの浜崎優氏)見通し。円相場も「欧州連合(EU)とギリシャ政府との交渉はこれから。(足元より1円程度円安の)1ドル=123円台半ばで下げ止まる」(外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏)との指摘がある。


■反対なら 株「下値2万円」の声

国民投票で緊縮反対が多数となれば、市場のネガティブ・サプライズは避けられない。「投資家の7割近くは賛成多数を見込んでいる」(バークレイズ銀行の門田真一郎為替ストラテジスト)ためだ。為替市場ではユーロが売られ、株価は下落する可能性が高い。

ギリシャのチプラス首相は緊縮反対の世論を追い風に欧州連合(EU)に緊縮緩和と支援継続を求める構えだ。だがEUが応じなければ、ギリシャはデフォルト状態に陥り、ユーロ圏からの離脱に現実味が増す。欧州金融大手UBSは「反対多数なら離脱確率は40%から70%に高まる」と分析する。

週明けの東京株式市場では「ひとまず売りが先行し、その後は、欧州株など海外株の反応を見極める展開になる」(三菱UFJ国際投信の小西一陽チーフファンドマネジャー)。国内の消費回復や企業統治改革が支えとなり、日経平均の下値は2万円程度との見方が多い。

為替相場では低リスクとされる円を買う動きが強まり、対ドルの円相場は1ドル=121円台まで円高に振れそうだ。上値のメドは6月30日につけた121円93銭との声もある。年内の米利上げが見込まれており、120円を超えた円高を想定する声は少ない。

ユーロは下落が予想されるが、「欧州の量的金融緩和で膨らんだ欧州株買い・ユーロ売りの持ち高解消が広がり、1ユーロ=133円程度で下げ止まる」(あおぞら銀行の諸我晃市場商品部部長)との指摘もある。
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]