ETF保有率は5割超、主役日銀の一手に期待と懸念-30日に会合

日銀によるETFの保有残高が、国内ETF市場全体の5割を超えて来ています(※1)。

「東京証券取引所によると、9月末の日銀のETF保有額は推計値で7兆5300億円。14兆円強のETF市場全体に対する比率は52%となっている」ということです。

10月30日には追加緩和はありませんでした。しかしながら、GDP600兆円という政府目標のためには、いずれかの段階で、追加緩和はやらざるを得ないものと思います。国債の追加購入はもはや限界かと思われ、追加緩和の手段としては、ETFの購入枠増額となるように感じます。


[以下、引用]
◆(※1)ETF保有率は5割超、主役日銀の一手に期待と懸念-30日に会合 (2)
2015/10/29 15:09 JST

(ブルームバーグ):日本銀行が30日の金融政策決定会合で追加金融緩和に踏み切る可能性について、市場関係者の見方は二分している。デフレ脱却を確実にする追加策が打たれた場合、有望視されるのが日本株に指数連動する上場投資信託(ETF)の買い増しだ。初の購入から5年近くが経過し、今や日銀による保有額は国内ETF市場全体の5割を超え、主役の次の一手に期待と不安が交錯する。

東京証券取引所によると、9月末の日銀のETF保有額は推計値で7兆5300億円。14兆円強のETF市場全体に対する比率は52%となっている。日銀は2010年12月からETFの買い入れを始め、黒田東彦総裁による13年4月の大規模緩和策導入前の12年末の保有残高は1.5兆円だった。昨年10月の追加緩和で従来比3倍の年間3兆円ペースでの購入を決定。28日までのおよそ1年でTOPIXは21%上昇している。

みずほ総合研究所・市場調査部の大塚理恵子エコノミストは、日銀によるETF購入は「下落局面で株価を下支えしてきた」と言う。同総研によれば、14年10月の追加緩和以降は1回の購入金額がそれまでの100億-200億円程度から毎回約300億円に増額されている。同11月からことし3月までに日銀がETFを買い入れた33営業日のうち、31営業日で日経平均株価の午前終値が前日終値を下回る日に購入していた。

第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、ETFの購入は投資家に対し「心理的な影響が大きいのではないか」とみている。日銀は買ったら売らずに保有し続けるため、「需給面ではそれなりに影響を与えてきた」と指摘する。熊野氏は、30日の会合でETFの購入額の引き上げを予想している。JPモルガン・アセット・マネジメントの榊原可人エコノミストも、追加緩和策として「日本株ETFもあり得る。株価が良いパフォーマンスを続けることは非常に大事。株が下がっていては、景気に対し良い影響にはならない」との認識だ。

足元の経済、物価統計はさえない内容が続き、4-6月期の実質国内総生産(GDP)は前期比年率で1.2%減少、8月の消費者物価指数(CPI)は生鮮食品を除くコアベースで前年比0.1%下落した。今月初めに発表された日銀の企業短期経済観測調査(短観、9月調査)では、企業物価見通しが下方修正された。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の嶋中雄二・景気循環研究所長は、日銀は10兆円の追加緩和を行うべきで、内訳としてETFは1.5兆円程度の増額を提案。「これだけでいいのかという議論があるが、やらないよりはいいだろう」と話している。

現ペースでも保有額10兆円が視野

シティグループ証券の藤田勉副会長は、日銀が国債をこれ以上買うのは無理とみており、「ETFか株を買うと予想。購入額は3兆円から10兆円に増やすのは十分あるのではないか」と指摘。来夏の参院選を控え、年明け1月までの追加緩和と補正予算の実施を見込む。

一方、アムンディ・ジャパンの浜崎優投資情報部長は、日銀の追加緩和策に期待を持ちつつも、ETFを買い進めることには懸念を示す1人だ。「これ以上買い増すと、日銀自体のバランスシートへのリスク、緩和の出口でのマーケットに対するリスクもある。いろいろな意味で、中央銀行がエクイティを保有することはリスクが大きい」と言う。

みずほ総研では、日銀が来年も年間3兆円ペースでのETF購入を続けた場合、16年末の保有残高は9.8兆円に達すると試算。大塚氏は、買い入れ上限がさらに増えると「日銀がほとんど買い占めてしまうという金額になる」とし、需給操作で価格形成がゆがめられる可能性に言及した。現在の日本株は、株価収益率(PER)などのバリュエーション面から適正水準にあるが、「将来的には実態と乖離(かいり)した株価上昇につながる点は気掛かり」としている。

金融機関による保有株式の価格変動リスク軽減の努力を促すため、日銀は02年に金融機関の保有株式の買い入れを行った経緯もあった。HSBCホールディングスの日本担当エコノミスト、デバリエ・いづみ氏(香港在勤)は「当時の中央銀行の目的はインフレよりもクレジットリスクを下げることで、特別なケースだった」とし、現在も市場の一部に株式そのものを買うべきとの意見がある点は承知しつつも、「そのハードルは高い」とみる。

ブルームバーグが21日から26日にかけエコノミスト36人を対象に行った調査では、16人(44.4%)が追加緩和を予想、うち12人がETF購入限度額を増やすと予測した。日銀の黒田東彦総裁は7日の政策決定会合後の会見で、物価目標をできるだけ早期に実現させるために量的・質的緩和を着実に進める方針を示し、付利の引き下げは「検討してないし、考えが近い将来変わる可能性もない」と発言。追加刺激のための多くの選択肢が利用可能、と述べた。

更新日時: 2015/10/29 15:09 JST
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]