「世界の工場・中国」は終わった リーマン以来の貿易前年割れ…トドメはTPP

必要以上に中国経済の不振をあげつらう考えは当室にはありませんが、取り上げる回数が多いということは、それだけ懸念材料としての重要性が高いと判断しているということになります(※1)。

ZAKZAKの記事は、比較的中国には冷淡な立場のようなので、そのあたりは割り引く必要はありましょうが、指摘の正しい部分はそれなりに思案・把握しておくことが必要です。

今回の記事では、次の点が注目点でしょう。

「15年の輸出は2・8%減。輸入に至っては14・1%減の1兆6820億ドルと落ち込んだ。過去30年間で中国の貿易総額がマイナスとなるのは、アジア通貨危機のあった1998年とリーマン・ショックの影響を受けた2009年の2回しかない。」

それだけ中国経済は不振だということですが、まだ成長途上であった1998年、2009年の「一時的へこみ」とは違い、今回は国民経済の成長鈍化が明確化していますので、以前の様に成長の「勢い」で乗り切ることが出来そうもない分だけ深刻な印象があります。

今後、相場が一時的に幾分戻す場面はあるとしても、当面は大局的には下降トレンドと見ておくのが無難だと思います。中国経済は閉鎖的なので、その不振の影響は限定的だとする見方もありますが、経済規模から見てそれほど簡単ではないように感じます。


[以下、引用]
◆(※1)「世界の工場・中国」は終わった リーマン以来の貿易前年割れ…トドメはTPP

2016.01.14 ZAKZAKより

中国が「世界の工場」と呼ばれた時代は完全に終わった。輸出と輸入を合わせた2015年の貿易総額が前年比8・0%減の3兆9586億ドル(約468兆円)とリーマン・ショック後の09年以来の前年割れ。16年以降もさらなる下振れが予想されている。

15年の輸出は2・8%減。原材料や部品を輸入して安価に組み立て大量輸出する加工貿易で急成長してきた中国だが、人件費高騰や労使紛争の頻発などで競争力が失われ、繊維や衣料品、機械・電子部品など外資系の工場が相次いで中国から撤退した。

環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)が発効すれば有望な輸出拠点となるベトナムなどへのシフトが加速するとみられ、中国の輸出産業は地盤沈下が止まらない。

輸入に至っては14・1%減の1兆6820億ドルと落ち込んだ。不動産市況や株式市場の低迷で内需が低迷、人民元安で輸入価格も上昇した。

輸入の動きは国内総生産(GDP)と連動するといわれ、19日に発表される15年の中国のGDPでは統計数字の信憑(しんぴょう)性も問われている。

貿易失速を受けて、13日の上海株式市場で、総合指数の終値は2015年8月下旬以来、約4カ月半ぶりに終値が3000を下回った。

過去30年間で中国の貿易総額がマイナスとなるのは、アジア通貨危機のあった1998年とリーマン・ショックの影響を受けた2009年の2回しかない。

政府系の中国社会科学院も16年の輸出は前年比0・6%減、輸入は3・0%減と予想しており、中国経済はさらに沈みそうだ。
Copyright © 2016 SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.
[以上 引用/マクロ経済動向と資産運用形成研究室]