強まる緩和催促モード 海外勢、日本株買いの賭け

何かと目先の理由で動く相場展開であり、熊本の震災で少し下げた分はすぐに取り戻していて、日経平均17000円台が維持されています。上昇基調にある理由として、目先27-28日の日銀の追加緩和が取り沙汰されていますが(※1)、確かにそれもあるかも知れませんが、実際のところは、もう少し先の5月の消費税再延期と財政出動を期待しての上昇、と当室では考えています。

当室としては、少し腰を入れての日本株買い増し局面と理解し、少しずつ根気よく仕込んでおく予定です。ただし、逃げ足も速そうな展開が予想されますので、材料出尽くしの折、あるいはきな臭い情勢予感の折には手仕舞いも必要でしょう。

画像
(日経平均5年チャート:SBI証券による)

◆(※1)強まる緩和催促モード 海外勢、日本株買いの賭け
証券部次長 川崎健
2016/4/23 2:00日本経済新聞 電子版

株式市場参加者の関心が、来週27~28日の日銀の金融政策決定会合に一点集中している。次回会合で日銀は追加緩和に動くに違いない――。そんな予想から、久しく見なかった海外ヘッジファンド勢が日本株買いの賭けに出たようだ。緩和を催促するかのように相場は上げ幅を広げるが、短期マネーは逃げ足も速い。のるかそるかの「日銀プレー」の帰結はいかに。

「なぜ急に相場が強くなったかですか? 身もふたもないですが、海外勢の日銀プレーでほぼ説明できますよね」。22日午前、ある国内証券のトレーダーは朝安からじわじわと値を戻していった日経平均株価を見ながらこう説明した。

午後。そんな市場の緩和期待を裏づけるかのように、海外通信社が「日銀が金融機関への貸し出しにマイナス金利の適用を検討している」と報じた。

三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行株が急騰し、住友不動産など不動産株も値を飛ばした。日経平均は2カ月半ぶりに1万7500円台を回復。直近4日間の上げ幅は1300円近くに達する。

「久々に主だったマクロ系の人たちがそろい踏みですね」。ある大手証券の幹部はこう明かす。マクロ系とは金融政策など経済政策の方向を予想し、株や通貨などを一方向に取引するヘッジファンドのことだ。2012年末から円安・株高に賭ける「アベトレード」を仕掛けたが、昨年半ばから日本株市場ではとんと姿を見なくなっていた。

急に動き始めたのは先週末からだという。来週の会合で日銀が動かざるを得ないと踏んで先回りして日本株を買い、相場を押し上げる原動力になったようだ。

「日銀ウオッチャー」と呼ばれる日銀の金融政策を予測する専門家たちはどうみているか。主要証券10社のエコノミストたちの最新の予想を調べたところ、10人中6人が次回会合で「緩和あり」と予想している。

従来は6月の追加緩和を予想していたゴールドマン・サックス証券の馬場直彦氏は今週、追加緩和の予想時期を4月に前倒しし、ETF(上場投資信託)の買い入れを「現在の2倍強の7兆円程度に増やすのではないか」とみる。

部分的な緩和実施や、確率は低いが可能性ありとする2人を加えると、8人が「緩和はあり得る」とみている。これだけ多くが緩和ありに傾くのは異例だ。

だが海外ファンド勢の日銀プレーに支えられた相場上昇は、どこか危なっかしいのも事実だ。

マクロ系ファンドたちが日本株市場で多用するのは、先物やオプションなどのデリバティブ(金融派生商品)。彼らが主導する日銀プレーの盛り上がりを映し、日経平均オプションのコール(買う権利)の建玉(未決済残高)が着実に積み上がってきている。

一方、プット(売る権利)を見ると、こちらも建玉が積み上がっている。これだけ多くの人間が追加緩和を予想していれば予想が外れたときの反動も大きい。その際の相場下落に備えてプットを買っておこうとする投資家も多いのだ。市場関係者の期待を一身に集める日銀。だがその視線はどこか冷めている。
[以上引用 マクロ経済動向と資産運用形成 研究室]