永久国債の発行にバーナンキ氏が言及

バーナンキ前FRB議長の指摘を待つまでもなく、日本においても、民需による成長力が鈍化している以上は、行き着くところは永久国債政策だと思われます(※1)。当室でもずいぶん以前に検討した記憶がありますので、詳しくはそちらをご参照ください。
http://toshukou.at.webry.info/200907/article_2.html
http://toshukou.at.webry.info/200907/article_3.html

債券市場は、この報道を嫌って下げたようですが、当室としては、基本的に永久国債は日銀保有の底溜まり国債部分を永久化する話という理解なので、発行したとしても、マーケットにはそれほど影響しないものと思います。

[以下、引用]
◆(※1)永久国債の発行にバーナンキ氏が言及-本田悦朗氏の4月訪米時に

藤岡徹、氏兼敬子

2016年7月14日 15:51 JST ブルームバーグより
安倍晋三首相と今週、官邸で会談したベン・バーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、今春に訪米した前内閣官房参与の本田悦朗氏との間で、永久国債発行のアイデアを議論していたことが分かった。

本田氏は4月1日にワシントンでバーナンキ氏と1時間ほど会談。その中でバーナンキ氏は、日本経済が再びデフレに戻るリスクを指摘。デフレ克服の最も強力な手段として比喩的に「ヘリコプターマネー」に言及し、政府が市場性のない永久国債を発行、これを日銀が直接全額引き受ける手法を挙げた。バーナンキ氏は、選択肢の一つとして述べたもので、今すぐ日銀がやるべきだとは言わなかったという。

本田氏自身は、日銀の国債買い取りによる財政資金の供給は「広い意味でのヘリコプターマネー」だと認識していたものの、バーナンキ氏の考えを聞いて安倍首相に会ってもらいたいと要請したという。現在は駐スイス大使の本田氏が13日、電話インタビューに応じて明らかにした。

安倍首相は12日に官邸でバーナンキ氏と会談、浜田宏一内閣官房参与も同席した。会合後、浜田氏が記者団に語ったところによると、バーナンキ氏は金融と財政でアベノミクスを続けるよう発言したが、ヘリコプターマネーは話題にならなかったという。菅義偉官房長官は同日の会見で、日銀に金融緩和の手段まだあると会合でバーナンキ氏が発言したことを紹介した。産経新聞は13日、ヘリコプターマネーが浮上していると報じたが、菅氏は会見で「検討している事実はない」と否定した。

アレルギー

本田氏は電話インタビューで、ヘリコプターマネーは人によって定義は違うが、日本では「アレルギーが非常に強い」と指摘。ヘリコプターマネー的な政策について「はっきりと主張する一流の学者がいることを、総理に分かっていただけるとありがたいと思った」と語った。本田氏は4月にバーナンキ氏と会ったあと、安倍首相に対し「財政、金融を一緒に考えることによってアベノミクスを強化することが必要ではないかと申し上げた」と語った。

本田氏は2014年11月に、ノーベル経済学賞受賞者であるポール・クルーグマン氏と安倍首相の会談を設定。クルーグマン氏は15年10月からの消費増税延期を促し、首相はその助言通り延期を決めた。今春も、内外の有識者を呼んで国際金融経済分析会合を断続的に開き、やはりノーベル賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ氏ら著名な有識者を招待、クルーグマン氏も出席した。


◆(※2)債券下落、永久債発行報道や5年入札倍率低下を嫌気-超長期中心売り
池田祐美、山中英典
2016年7月14日 08:10 JST ブルームバーグより
債券相場が下落。この日実施の5年債入札で応札倍率が前回から低下したことに加えて、永久国債の発行をめぐる報道を受けて需給悪化懸念が広がり、超長期ゾーンを中心に売りが優勢となった。
14日の長期国債先物市場で中心限月9月物は、前日比3銭高の153円66銭で取引を開始し、一時153円71銭まで上昇した。午後に入り、5年入札結果の発表後に水準を切り下げ、永久国債に関する報道を受けて一段安となり、結局は17銭安の153円46銭と、この日の安値で引けた。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「永久国債の報道を受けて、為替が円安に反応したことが債券の重し」と指摘した。永久国債については、「低金利の時に発行すれば利払いを小さく抑えられ、財政への負荷が小さく済む。日銀が保有するという話ではないか。通常は償還オプションが付いたモノが多い」と述べた。

安倍晋三首相と今週、官邸で会談したベン・バーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、今春に訪米した前内閣官房参与の本田悦朗氏との間で、永久国債発行のアイデアを議論していたことが分かった。

SMBC日興証券の末沢豪謙金融財政アナリストは、永久国債について、「ずっと返済しなくて良いというのは間違い。実際問題として実現するとは考えにくい」と指摘。「国債格下げのリスクが高まるほか、こんなものを出さなくてはならないほど駄目なのかという印象から消費者心理に悪影響が出る恐れもある」と語った。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の343回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.28%で開始し、その後マイナス0.26%に上昇した。新発5年物の128回債利回りは0.5bp低いマイナス0.36%で開始し、マイナス0.345%まで売られている。新発20年物の157回債利回りは一時4bp高い0.10%と6月27日以来の高水準を付けた。新発30年物の51回債利回りは2bp高い0.14%を付け、新発40年物の9回債利回りは0.17%と6月23日以来の水準に上昇した。

5年債入札

財務省が午後発表した表面利率0.1%の5年利付国債の入札結果によると、最低落札価格は102円31銭と予想と一致した。小さければ好調なテール(平均と最低落札価格の差)は2銭と前回1銭から拡大。投資家需要を反映する応札倍率は3.45倍と、昨年10月以来の低水準となった。一方、平均落札利回りがマイナス0.365%、最高落札利回りがマイナス0.361%と、ともに過去最低を更新した。

メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、5年債入札について、「高値水準で一部に懸念もあったが、それなりに無難な結果。海外勢の買いも少し減ってきているので、応札倍率低下につながっているのかもしれない」と説明した。

13日の米国債相場は反発。米10年債利回りは前日比4bp低下の1.47%程度となった。ドイツが同日実施した10年債入札で平均落札利回りがマイナスとなるなど、欧州の国債利回り低下を受けて買いが優勢となった。一方、この日の東京株式相場は上昇し、日経平均株価は同1%高の1万6385円89銭で引けた。東京外為市場では円が対ドルで1ドル=105円台後半まで上昇した。
[以上引用 マクロ経済動向と資産運用形成 研究室]